研究課題/領域番号 |
23K17764
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木山 治樹 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (80749515)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 量子ドット / スピン / 量子ビット |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、半導体スピン量子ビットの大規模集積化に向けて、量子ドット2次元アレイの新規制御法の開発を目的とする。不純物や加工誤差による不均一性を考慮した2次元アレイ特有の制御法を確立し、実際の小規模2次元アレイデバイスを用いてその有効性を検証する。制御の複雑さや所要時間の集積度に対するスケーリングを飛躍的に改善し、またデバイスに求められる均一性や再現性を緩和することにより、半導体量子ビット大規模集積化の実現に貢献する。
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研究実績の概要 |
今年度はクロスバー型2次元量子ドットアレイ試料の作製を行う計画であったが、使用する電子線蒸着装置および原子層堆積装置の導入が想定より遅れてしまい、完成には至らなかった。そこで今年度は試料作製の準備と並行して、次年度以降に予定している極低温下での実験に向けて高周波同軸ケーブルの追加等の準備を進めるともに、クロスバー型2次元量子ドットアレイの電荷状態制御の数値シミュレーションに取り組んだ。3行3列アレイについて、任意の静電結合パラメータに対して電荷状態のシミュレーションを行うプログラムを作成した。今後はシミュレーションをより大きなアレイに拡張し、制御方法の検討に利用する予定である。
また、本研究ではクロスバー型2次元量子ドットアレイで有用なスピン量子ビット測定法として、スピン情報を電荷情報に変換した後、電荷情報のみを電荷計近傍まで輸送することで高精度にスピンを読み出す、独自のスピン測定法をすでに考案している。この手法を用いて、クロスバー型2次元量子ドットアレイでスピン測定を行うことを最終年度に計画しており、今年度はそれにさきがけて1次元量子ドットアレイを用いて同スピン測定法の原理実証実験に取り組んだ。しかし、新規スピン測定法ではリザーバーとそれに接している量子ドットとの間のトンネルを抑制する必要があり、そのため1次元の小規模量子ドットアレイにおいてもスピン測定条件への調整が困難であり、スピン測定の実証には至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
クロスバー型2次元量子ドットアレイ試料の作製に使用する電子線蒸着装置および原子層堆積装置の導入が想定より遅れてしまい、完成には至っていない。 また、1次元の小規模量子ドットアレイを用いたスケーラブルなスピン測定法の実証実験において、スピン測定条件への調整を達成できず、次年度への持ち越しとなっている。
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今後の研究の推進方策 |
クロスバー型2次元量子ドットアレイ試料の作製を行い、極低温下で動作の均一性や再現性の評価、および電荷状態制御を行う。並行して、大規模アレイにおけるスピン測定のための新規調整法の検討も進める。
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