研究課題/領域番号 |
23K17807
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分25:社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
浅井 光輝 九州大学, 工学研究院, 准教授 (90411230)
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研究分担者 |
矢野 真一郎 九州大学, 工学研究院, 教授 (80274489)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 機械学習 / 河床高 / 流速計測 / 超解像 / 河床変動 / 広域氾濫解析 |
研究開始時の研究の概要 |
まずはドローンによる空撮により連続的な河川画像を入手する。次にハイドロ総合技術研究所が開発したHydro-STIVにより,河川表面の画像から水面上の流速分布を評価する。そして表面流速分布を入力とし、河床高を機械学習PINNsにより推定する。以上の手順により推定する河床高は,超音波ドップラー流速計ADCPによる観測値と比較検証し,提案する機械学習による河床高予測(透視)の精度を定量的に評価する。機械学習を援用した逆問題として,河床高のみを予測するだけでなく,順解析としての機能も最大限に活用することで,水面下での流速および圧力分布をリアルタイムで表示する追加機能(超解像)の開発を行う。
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研究実績の概要 |
地球温暖化の影響から,豪雨災害の頻度と強度が増加しており,歯止めが効かない状況にある。豪雨災害時には,斜面災害により河川が閉塞し(天然ダム),天然ダムの決壊により発生する土石流が浸水・氾濫被害を拡大させる事例が多発している。このため,上流から下流を含む流域全体を対象に,土砂と河川の流れを統合した解析技術が求められている。ただし,解析に必要となる河床高などの情報が十分に整備されておらず,河床に関する不確実な情報をすべて粗度係数に集約させた1次元解析が行われているのが現状である。こうした将来のニーズに対し,まずは初期条件である河床高を安価に計測可能な技術が必要と考えた。そこで本研究では,物理シミュレーションのサロゲート(代替)モデルとして注目されている新たな機械学習PINNsに着目し,天候などの気象条件に影響を受けにくく,広域のデータが安価に入手可能な河川表面の画像から,表面流速分布を介して河川内部の河床高を推定(透視)し,さらには観測が困難な内部の流速・圧力分布まで超解像する試みである。 この研究課題に対して,以下の3つの試みを初年度で実施した。1.機械学習PINNsの高精度化(重みの決定方法,境界条件処理の改良)2.理論的簡便手法による河床高の推定 3.表面画像からの表面流速の計測 あとは,2で推定した河床高を初期値として設定し、1の機械学習技術を使った逆解析ツールを確立できれば,3で計測した表面流速から河床高が推定できる技術が確立できるものと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
機械学習法の基礎技術を確立し、また目的である河床高を推定するための簡便方法を確立させ、機械学習時の良質な初期値を与えることができるようになった。また表面流速から河床高を推定するために、広域な河川に対して低コストで河床高を推定するために、表面画像から流速計測を行う技術の習得を行い、機械学習に必要となるためのデータを収集できた。あと準備してきた機械学習技術を使い、河床高の推定へと応用する。以上、計画通りの成果をあげることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、物理シミュレーションのサロゲート(代替)モデルとして注目されている新たな機械学習PINNsに着目し、天候などの気象条件に影響を受けにくく、広域のデータが安価に入手可能な河川表面の画像から、表面流速分布を介して河川内部の河床高を推定(透視)し、さらには観測が困難な内部の流速・圧力分布まで超解像する試みである。この気概学習の基礎ツールは完成し、また表面流速分布の計測方法まで確立することができている。 あとは、機械学習を使った逆問題を設定すれば、河床高の推定が行えるものと考える。また、この際の検証のための河床高のデータは、すでに計測済みであり、順調に計画が遂行できている。
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