研究課題/領域番号 |
23K17814
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
大矢 剛嗣 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (30432066)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / カーボンナノチューブ複合紙 / 熱電発電 / 蒸散 / 毛細管現象 / 気化熱 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではカーボンナノチューブ(CNT)複合紙を用いた「熱源不要の熱電発電素子」の開拓に挑戦する。応募者は、和紙作り技術に学んだ簡便な作製手法による「CNT複合紙」の開発に成功し、紙を用いた熱電発電研究を進めている。本計画では、このCNT複合紙が持つ熱電変換性能および毛細管現象(による液体の吸い上げ)、それらと液体の気化熱を組み合わせる。端的には自立可能で熱電変換機能を持つCNT複合紙を開発し、自立状態の紙の底部を液体(水等)に浸し、そこから吸い上げられた液体が紙上部で蒸発・気化熱を生じることで、紙上部と底部の温度差を得て、熱電発電に生かすという物である。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、カーボンナノチューブ(CNT)複合紙(CNTと紙との複合材料)を用いた「熱源不要な熱電発電素子」を開拓することである。ここで自然界に目を向けると、植物は「蒸散」の過程で地中より水を吸い上げ、葉から放出する時の気化熱を使い、自身に溜まる熱を放出している。つまり、植物は蒸散により温度差を作っていると言える。これまでに応募者は、日本の和紙作り技術に学んだ簡便な作製手法によるCNT複合紙の開発に成功しており、加えてCNTが持つ熱電変換性能を紙の形状で利用する「熱電発電紙」の実現可能性を示してきた。最近CNT複合紙でも、あたかも植物が「蒸散」するがごとく、液体に浸している端と液体が蒸発していく端との間で温度差を得ることができ「熱源不要な熱電発電紙」が実現できるのではと着想した。 この実証のため、本研究課題においては特に1) 湿潤条件下での高導電性の獲得、2) 高吸水性の獲得、3) 高蒸発性の獲得、4) 最適化 の4点について着目し研究を進めている。2023年度においては主に1)および2)について研究を進め、複合紙の作製条件を工夫することにより導電性を確保しつつ高吸水性を獲得可能であることを見出した。 研究成果として、査読付き英語論文を1報、査読付き国際会議発表を(関連研究含めて)9件、関連特許の出願を1件、国内学会発表(関連研究含めて)を20件するに至った。さらには、「熱源不要な熱電発電素子」として当初予想していなかった、大きな利点となりうる事象も発見することができた。この新発見については現在裏付けを進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で設定している4つの課題の内、当初計画通り主に1)と2)について研究が進捗した。これまでに一定程度の研究成果が得られ、査読付き英語論文を1報、査読付き国際会議発表を(関連研究含めて)9件、関連特許の出願を1件、国内学会発表(関連研究含めて)を20件するに至ったため、順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
初年度において、熱源不要な蒸散型熱電発電紙について基盤部分の知見をある程度見出すことができた。2024年度は初年度の成果を踏まえつつ、当初計画に沿った研究を進める。特に課題として定めた3)の高蒸発性の獲得(より大きな気化熱の獲得)について取り組みを進める。 研究成果については、引き続き英語論文や各種学会・国際会議での発表、特許出願を積極的に行う。
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