研究課題
挑戦的研究(萌芽)
鉄鋼材料は強度と延性の間にトレードオフの関係があり、鋼種によらずその積は10000MPa%程度である。パーライト鋼は、フェライト鉄と超硬質な炭化鉄が層状に配列した構造を有する。パーライト鋼に伸線加工を施すと炭化鉄の向き(配向)が伸線方向に揃うことで、現用鋼で最高硬度(4000MPa)を示す伸線パーライト鋼が得られる。しかし、加工を施すために伸線パーライト鋼の延性は著しく低く、強度-延性バランスは従来材と同程度である。そこで、本申請研究では、延性を低下させることのない製造プロセスを用いたパーライト鋼の炭化鉄配向制御法を確立することで、強度と延性のトレードオフ関係を打破する。