研究課題/領域番号 |
23K17820
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 克郎 九州大学, 工学研究院, 教授 (90397034)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 複合アニオン / 窒化 / 水素化 / 非平衡プロセス / セラミックス |
研究開始時の研究の概要 |
将来の付加製造によるセラミックス製造では、複相の緻密体や平衡共存しない相が接合された機能デバイスの直接製造への発展が予想され、レーザー焼結による局所的な非平衡焼結が鍵となる。本研究では、付加製造技術の発展に繋がる、新しいレーザー焼結を開拓する。また、それらの知見を軸とした、次世代の焼結の科学に関わる新領域創成を見据える。共有結合性物質と酸化物の共焼結は未踏領域であり、また酸化物同士でも、異なる雰囲気での焼結を要する材料間の接合が困難であった。酸化物系全固体電池での高比容量の炭素系負極の導入や、異なる雰囲気での焼結を要する低電位・高電位酸化物電極材料の接合を目指したレーザー焼結に取り組む。
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研究実績の概要 |
酸化物と共有結合物質を共存させるレーザー共焼結の確立を目指し、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)とNa+イオン導電酸化物固体電解質のナシコン型Na3Zr2(SiO4)2(PO4) (NZSP)の共緻密化を目指したレーザー焼結の検討を行っている。NZSP粉末について、一般的な常圧焼結手法にて1270℃で緻密化する通常試料とともに900℃で緻密化する試料を新たに開発した。通常の加熱焼結法では、900℃NZSP試料のみでハードカーボン材料と共焼結を行うことが出来ている。今後とも継続してレーザー加熱による共焼結の挙動を調査する。特に900℃NZSP試料については、レーザー焼結による短時間焼結や雰囲気の効果について調査を行いたいと考えている。またハードカーボン材料自体の効果を検討したい。現在はソルボサーマル法によって得られる球状型粒子粉末を用いているが、商用のナトリウムオン電池向け負極材料との違いも興味が持たれる。 複合アニオン化合物・非酸化物への転換のためのレーザー焼結の確立を目指、高速H+伝導体の ペロブスカイト型BaZr1-xYxO3-2/x (BZYO)を対象に、N2を含む弱還元性の雰囲気中でのレーザー照射加熱の窒化分解によって、金属伝導性を有するZrNの生成を狙って実験を行っている。まず、透明性を有するまで緻密化したBZYOを作成する手順を新たに確立した。これまでに、緻密BZYOセラミックスへのレーザー照射によって、岩塩型ZrN結晶相の生成を実測している。ただし、ここまでは密閉型の雰囲気でのレーザー照射のため、青色半導体レーザー源をこれまで用いてきたが、出力が弱い点に問題があった。他方炭酸ガスレーザーを用いて出力を上げる。ただし透過窓を用いない高純度雰囲気維持の仕組みを新たに設計する予定である。さらに今後、共生成するBaOの溶解選択除去による多孔質電極形成に進展させ、母材のH+伝導性電解質に接合したZrN窒化物多孔質電極の形成を目指して検討を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
酸化物と共有結合物質の「共存」の為のレーザー共焼結:難黒鉛化炭素(ハードカーボン)とNa+イオン導電酸化物固体電解質のナシコン型Na3Zr2(SiO4)2(PO4) (NZSP)の共緻密化を目指したレーザー焼結の検討を行っている。平衡状態でNZSPが分解する条件に近い為、この条件では通常の共焼結は困難である。そこで、ハードカーボンとNZSPを極短時間でレーザー照射領域の焼結を完了させる事で分解反応を抑制する事を狙っている。NZSP粉末について一般的な常圧焼結手法にて、1270℃で緻密化する通常試料とともに900Cで緻密化する試料を新たに開発することが出来た。通常の加熱焼結法では、900℃-NZSPのみがハードカーボン材料と共焼結を行うことが出来た。 また、複合アニオン化合物・非酸化物への「転換」のためのレーザー焼結:雰囲気制御下でのレーザー照射焼結のため、実験系の開発も同時に行っている。酸化物母材に金属窒化物層を形成することを狙い、代表的な高速H+伝導体の ペロブスカイト型BaZr1-xYxO3-2/x (BZYO)を対象に、N2を含む弱還元性の雰囲気中でのレーザー照射にて、窒化分解による金属伝導性を有するZrNの生成を目指して実験を行った。透明性を有するまで緻密化したBZYOを作成する手順を新たに確立した。共生成するBaOの溶解選択除去による多孔質電極形成に進展させ、母材のH+伝導性電解質に接合したZrN窒化物多孔質電極の形成を目指している。これまでに、レーザー照射によって、ZrNを特徴づける金色の外観、XRDによる岩塩構造のパターンを観測しており、窒化の手がかりを得ている。
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今後の研究の推進方策 |
ハードカーボンとNZSPのレーザー共焼結の課題に関しては、継続して1270℃で緻密化する通常試料と900℃で緻密化する低温試料を比較対象として、レーザー加熱による共焼結の挙動を調査する。特に900℃試料については、通常焼結に成功しているが、レーザー焼結による短時間焼結や雰囲気の効果について調査を行いたいと考えている。またハードカーボン材料自体の効果を検討したい。現在はソルボサーマル法によって得られる球状型粒子粉末を用いているが、商用のナトリウムオン電池向け負極材料との違いも興味が持たれる。 BZYOを対象に、N2を含む弱還元性の雰囲気中でのレーザー照射にて、窒化分解による金属伝導性を有するZrNの生成させるために、密閉型の雰囲気でのレーザー照射のため、青色半導体レーザー源をこれまで用いてきたが、出力が弱い点に問題があった。他方炭酸ガスレーザーを用いることで出力を上げることが可能になるが、雰囲気を保つ透過窓を用いることが出来ない。これらを解決する高純度の雰囲気維持の仕組みを新たに設計する予定である。また、酸溶解による多孔質電極形成に進展させる。
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