研究課題/領域番号 |
23K17829
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
山中 晃徳 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50542198)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 核形成 / 固相変態 / 機械学習 / オートエンコーダー / 特徴量抽出 / ベイズ推論 / 分子動力学法 |
研究開始時の研究の概要 |
高度な材料内部構造の制御のための新技術として, 金属材料で生じる固相変態において, 材料中に不均一に核形成が生じる位置, 速度およびこれらの時空間変化を表す偏微分方程式を導出する数理モデリング技術を開発する. このために, 計算材料科学とデータ科学を駆使した新技術を創出する. 本研究ではベンチマーク問題として, 純鉄および鉄-炭素2元合金でのオーステナイト相からフェライト相への固相変態での不均一核形成を対象とし, 開発技術の可能性と限界を明らかにする.
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研究実績の概要 |
本年度は、分子動力学法を用いて、純鉄多結晶におけるオーステナイト→フェライト変態の数値シミュレーションを行い、オーステナイト相の粒界多重点にフェライト相が不均一核形成する挙動を解析する計算手法の構築を行なった。これにより、不均一核形成挙動の仮想実験データを取得することが可能となったため、機械学習(オートエンコーダー)を用いて、仮想実験データから不均一核形成挙動を記述するための支配因子(記述子)を抽出することを進めた。これにより、従来技術では不可能であった、フェライト相が不均一核形成する前兆を潜在変数の変化として捉えられる可能性を見出した。また、上記数値シミュレーションの精度向上(より実現象に近づける)のために、ニューラルネットワークポテンシャルの構築も行なった。フェライト相の磁性の取り扱いについては、一定の仮定を置かざるをえないが、第一原理計算と同程度の精度で純鉄の物性を再現できることを確認した。本年度の研究成果としては、古典原子間ポテンシャルを用いた分子動力学シミュレーションとAEによる特徴量抽出について、国内学会と国際会議においてポスター発表、口頭発表を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
古典原子間ポテンシャルを用いて、純鉄多結晶におけるオーステナイト→フェライト変態の分子動力学シミュレーションを達成し、オートエンコーダーを用いた特徴量抽出については、研究計画当初では考え付かなかった方法が開発できた。また、それを国際会議等で研究成果できたことは、計画通りと判断する。しかしながら、ニューラルネットワークポテンシャルが純鉄にのみ開発できていないこと、時間加速法の適用を進められていないことから、当初計画に対してやや遅れている状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、初年度の遅れを取り戻しつつ、当初計画通り研究を推進する。つまり、ニューラルネットワークポテンシャルを用いたフェライト相の不均一核形成挙動の分子動力学シミュレーションを行い、オートエンコーダーによる特徴量抽出、さらには特徴量の変化を捉えられる微分方程式を導く。このデータ駆動型の支配方程式導出の手法やコーディングは終えている。さらに次年度は、最終年度に当たるため、学術雑誌への論文投稿と国際会議等での複数回の発表を行う計画である。
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