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新規高エントロピー化LPSO相の開発による超高機能性軽量構造材料の創製

研究課題

研究課題/領域番号 23K17832
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分26:材料工学およびその関連分野
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

萩原 幸司  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10346182)

研究分担者 徳永 透子  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30767299)
研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
キーワードMg合金 / LPSO相 / 多元系 / 組織制御 / 構造解析 / 力学特性 / 変形挙動
研究開始時の研究の概要

本研究はこれまでにない超高機能な軽量構造材料の創製をMg基LPSO相への同時多元素添加(高エントロピー多元組成化)により実現する方策を見出すという挑戦的な試みである.具体的には合金組成,組織制御による高温力学特性,耐クリープ性の向上,さらには変形モードの制御による延性向上を検討することで,既存の概念を打破する「高機能性軽金属構造材料」の創製を目指す.

研究実績の概要

本年度は計画した高エントロピー化LPSO相の創製を実現すべく,Mg-Zn-Y基LPSO単相合金であるMg85Zn6Y9の組成を基に, (Mg, A)85(Zn, B)6(Y, C)9 (A: Sc, Li, B: Al, Ni, Cu, Co, Fe, Ti, C: Sm, Yb, Dy, Gd, Er)の組成を有する多種の合金溶製を,電気炉を用い行った.得られた合金の組織観察をOM,SEMにより行うとともに,構成相の同定をSEM-EDS, XRD,EPMA, オージェ分光,といった各種手法を駆使することにより行った.
この結果,複数の合金系にて多元系高エントロピー化LPSO相の創製可能性が示された.ただし現状の解析において,Mgサイトを置換するSc, Liの固溶量はそれほど多くなく,この点に関する更なる検討が必要である.また固溶する元素種,固溶量の予測についても,実験結果の蓄積により,ある程度の仮説が立ちつつある.高エントロピー化が期待されたLPSO相については,一方向性凝固による方位制御単相合金の作製にまで至り,現在,高エントロピー化が力学特性に与える寄与,その温度依存性等を明らかにすべく,圧縮試験等による評価を進めている.また同時に,作製した多元系LPSO相の原子レベル構造解析をHAADF-STEM観察等により進めている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

既に一年目の研究により,複数の合金系にて高エントロピー化LPSO相の作製可能性が見出されており,予想以上に研究は進捗している.探索合金系をさらに拡張するとともに,力学特性評価,原子分解能での構造解析を進めることで,多元系化が与える寄与について解明を進めていく.

今後の研究の推進方策

上述のように,本年度は探索合金系をさらに拡張するとともに,力学特性評価,原子分解能での構造解析を進めることで,多元系化が与える寄与について解明を進めていく.特にMgサイトを置換できる元素が存在するか否か,についてさらに検討を進める.さらに,本年度検討では,Mg系のみならず,Ti系の高エントロピーLPSO相合金についても探索の幅を広げる.Ti系多元系合金においては,予備検討において既に長周期積層構造相の存在可能性を見出している.しかしその原子レベル構造解析には未だ至っておらず,シンクロ型構造を有しているのか,多元素の置換位置はそれぞれどこなのか,といった点は全く不明である.両者を比較することで,新たな合金開発の可能性についての指針を明らかにすべく,検討を進めていく.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Contributions of multimodal microstructure in the deformation behavior of extruded Mg alloys containing LPSO phase2024

    • 著者名/発表者名
      K. Hagihara, T. Mayama, M. Yamasaki, S. Harjo, T. Tokunaga, K. Yamamoto, M. Sugita, K. Aoyama, W. Gong, S. Nishimoto
    • 雑誌名

      International Journal of Plasticity

      巻: 173 ページ: 103865-103865

    • DOI

      10.1016/j.ijplas.2023.103865

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Development of Zn-Mg-Ca biodegradable dual-phase alloys2023

    • 著者名/発表者名
      K. Hagihara, S. Shakudo, T. Tokunaga, T. Nakano
    • 雑誌名

      Metals

      巻: 13 号: 6 ページ: 1095-1095

    • DOI

      10.3390/met13061095

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Mg, Al, Ti 基各種ミルフィーユ材料開発の現状,LPSO 相への再展開2024

    • 著者名/発表者名
      萩原 幸司
    • 学会等名
      軽金属学会東海支部 2023年度軽金属支部セミナー
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 組織型MFS軽金属材料の創製,キンク強化2023

    • 著者名/発表者名
      萩原 幸司
    • 学会等名
      軽金属学会 第144回春期大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Mg/LPSO押出合金の高力学特性の再検討 -組織型ミルフィーユ材料開発の成果を基に-2023

    • 著者名/発表者名
      萩原 幸司
    • 学会等名
      日本金属学会2023年秋期(第173回)講演大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 種々の押出Mg合金における組織と力学特性の相関2023

    • 著者名/発表者名
      萩原 幸司,眞山 剛,Stefanus Harjo,徳永 透子,山本 和輝,杉田 三佳,Wu Gong,山崎 倫昭
    • 学会等名
      日本機械学会 M&M2023 材料力学カンファレンス
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Relation between the microstructure and mechanical properties of Mg/LPSO and other extruded Mg alloys2023

    • 著者名/発表者名
      Koji Hagihara, Tsuyoshi Mayama, Stefanus Harjo, Toko Tokunaga, Kazuki Yamamoto, Mika Sugita, Wu Gong, Michiaki Yamasaki
    • 学会等名
      International conference of MRM2023/IUMRS-ICA2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 構造型・組織型各種ミルフィーユ材料の開発,Mg/LPSO複相合金への再展開2023

    • 著者名/発表者名
      萩原 幸司
    • 学会等名
      日本材料学会 塑性工学部門委員会 第2回研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [備考] 萩原幸司研究室 (名工大) HP

    • URL

      http://hagihara.web.nitech.ac.jp/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-07-04   更新日: 2024-12-25  

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