研究課題/領域番号 |
23K17844
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高見 誠一 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40311550)
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研究分担者 |
武田 志乃 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 放射線規制科学研究部, 上席研究員 (00272203)
沼子 千弥 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (80284280)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 金属酸化物ナノ粒子 / 蛍光 / 水熱合成 / ナノ粒子 / 金属酸化物 / 水中分散性 / 表面修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、生きた動物細胞の中でどのように物質が移動するかを明らかにすることを目的として、蛍光ナノ結晶を合成するとともに、このナノ結晶が細胞内で凝集しないようナノ結晶の表面に有機分子を結合することを第一の目的とする。さらに、このように合成した表面修飾ナノ結晶を細胞内に導入し、動物細胞内で観察することを次の目的とする。これらの研究により、動物細胞を用いた物質生産の制御が容易になることを期待している。
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研究実績の概要 |
本年度は、対象とする酸化物をLu3Al5O12およびBaHfO3として、酸化物ナノ粒子の分散を支配する要因の1つであるサイズの制御と、X線照射下における蛍光発光を評価した。サイズ制御については、Lu3Al5O12では既に反応溶液のpH制御で30~50 nm程度の粒子合成を可能としているため、蛍光ナノ粒子のマトリックスとして期待できるBaHfO3の水熱合成法の開発およびサイズ制御について検討を行った。BaHfO3の原料としてBa(NO3)3とHf(OH)4を用い、硝酸バリウムの水溶液のpHを制御してBa(OH)2を生成してからHf(OH)4と共に400℃での水熱処理を行うと、BaHfO3とHfO2の混合物が生成した。BaHfO3の単相が得られない理由が、Ba(OH)2の生成過程でBaイオンがある程度水中に溶出してHfよりも濃度が薄くなるためと考え、Ba(OH)2粉末を原料として用いた所、BaHfO3単相の形成に成功した。このようにして水熱合成したBaHfO3の粒子径は300 nm程度であったが、これより小さなサイズを実現するために、反応溶媒として用いた水にエタノールを添加した混合溶媒を用いることで、50 nm程度のナノ粒子を合成することに成功した。続いて、蛍光を実現するためBaHfO3に希土類元素を添加し、X線照射下における蛍光を評価した。その結果、未添加のBaHfO3ナノ粒子では欠陥に由来する300~400 nm, 550 nm付近の発光を示す一方、Euを添加したナノ粒子では600 nm付近に5D0-7F2の遷移に由来する発光を確認した。さらに、異なる物質の利用も試み、CoGa2O4やMgGa2O4などスピネル酸化物の利用が可能か、合成とともに評価を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で用いる酸化物ナノ粒子としてBaHfO3およびLu3Al5O12ナノ粒子を合成し、そこに希土類をドープすることで蛍光を発することを確認するとともに、サイズを数十nmとすることを実現できたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、合成したナノ粒子の水中分散を実現する表面修飾を行うほか、ナノ粒子の分散液中で細胞培養を行い、取り込みを評価する。
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