研究課題/領域番号 |
23K17846
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
松山 秀人 神戸大学, 先端膜工学研究センター, 教授 (50181798)
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研究分担者 |
中川 敬三 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 准教授 (60423555)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 膜分離 / 有機溶剤超ろ過(OHF) / 有機溶媒逆浸透膜(OSRO膜)膜 / 複合膜 / ナノシート / 耐溶剤性OHF膜 / 有機溶媒分離 |
研究開始時の研究の概要 |
有機溶剤の分離・濃縮に多用される蒸留法は、多量の熱エネルギーを必要とする極めてエネルギー消費の大きいプロセスである。本研究では、大幅な省エネルギー化を目指して、膜による溶剤-溶剤間の分離を行う新規有機溶剤超ろ過膜法(Organic solvent Hyper Filtration; OHF)の確立を行う。このような溶剤-溶剤分離を可能にするOHF膜はこれまで世の中に無く、これが創製できれば、蒸留法を用いる旧来の化学プロセスを未来型の革新的化学プロセスに変革できる。
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研究実績の概要 |
化学品製造プロセスにおいて有機溶剤の分離・濃縮に多用される蒸留法は、多量の熱エネルギーを必要とする極めてエネルギー消費の大きいプロセスである。本研究では、大幅な省エネルギー化を目指して、直接溶剤-溶剤間の膜分離を行う新規有機溶剤超ろ過膜法(Organic solvent Hyper Filtration; OHF)の創出を行う。OHF膜法では有機溶剤を液体のまま膜を透過させるため、圧倒的な省エネルギーが達成可能であり、蒸留法と比較して、所要エネルギーを1/100以下に削減が可能である。現在、分離緻密層として、新設計の界面重合ポリアミド中に二硫化モリブデン(MoS2)ナノシートを配向させることで溶剤の選択透過性と膜強度の両立を実現させた複合膜の作製を進めている。MoS2ナノシートは層間隔を架橋剤で精密に制御することで有機溶剤の選択透過パスとして用いることができ、分子ふるい効果による有機溶剤の選択分離が可能である。溶剤-溶剤分離を可能にするOHF膜はこれまで世の中に無く、これを創製することで、蒸留法を用いる旧来の化学プロセスを未来型の革新的化学プロセスに変革が可能になると期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
有機溶剤分離活性層として新規設計のポリアミド層中に二硫化モリブデン(MoS2)ナノシートを担持させ、ナノシート層間隔を架橋剤で精密に制御することで、分子ふるい効果による有機溶剤の選択透過パスとして利用する新規OHF膜の作製検討を行った。MoS2ナノシートは非常に新規性の高い材料であるため、まずMoS2ナノシートの調製およびその表面修飾の検討から開始した。MoS2ナノシートは、MoS2バルク結晶へのn-BuLiのインターカレーションによる液相剥離により調製した。その層間隔を制御するため、ヨード酢酸を利用したMoS2ナノシートの表面修飾を試みた。MoS2積層膜は、酢酸修飾MoS2ナノシートをポリエーテルスルホン支持膜上に加圧ろ過(1.5bar)することで作製した。XPSおよびXRD測定による解析により、ヨード酢酸がMoS2表面に共有結合的に修飾され、0.62nmの自由空間を有する積層構造が形成していることを確認した。MoS2表面を酢酸基によって修飾したことにより、乾燥操作や加圧下における液透過試験を行った場合においても積層構造は安定に保たれていることが確認された。
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今後の研究の推進方策 |
2年目は、1年目に調製した酢酸修飾MoS2ナノシートを用いて界面重合ポリアミド層への導入を行い、複合膜化を検討する。その際、ナノシート表面にさらにアミノ基やCF3基の導入を試みる。アミノ基はポリアミド層中の遊離カルボキシ基と共有結合させて安定に担持させるためであり、CF3基はナノシート層間に露出させることで層間を疎水化し、有機溶剤パスとして有機溶剤透過を促進するためである。このようにして得られたOHF複合膜は、SEM、TEM、FT-IR、XPS、水接触角、ゼータ電位等の測定により膜のキャラクタリゼーションを行うとともに、トルエン/n-デカン混合溶液(芳香族/脂肪族)、ヘキサン/n-デカン混合溶液(脂肪族/脂肪族)およびo-キシレン/ p-キシレン混合溶液(パラ体/オルト体)等を用いて加圧ろ過分離実験を行い、有機溶剤分離性能を評価する。
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