研究課題/領域番号 |
23K17854
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
河原 正浩 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ヘルス・メディカル微生物研究センター, プロジェクトリーダー (50345097)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 細胞内抗体 / キメラ蛋白質 / シグナル伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞はたくさんの蛋白質が正しく機能を発揮することで成り立っているので、細胞内蛋白質が異常になるとガンや認知症などの病気が発症します。また、細胞内でウイルスを構成する蛋白質が作られて複製が起こるウイルス感染症もあります。このような細胞内蛋白質をターゲットとして副作用のない薬が開発できれば、私たちがかかる様々な病気を治すことができる可能性があります。そこで、病気に関わる細胞内蛋白質をターゲットとして、副作用の少ない抗体を薬にすることを目指して研究を進めます。
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研究実績の概要 |
これまでに、蛋白質間相互作用スクリーニング法として、Ras/MAPK経路を活性化するSOS、および膜アンカリング配列をそれぞれ標的蛋白質に連結した2種類のキメラ蛋白質を細胞に遺伝子導入して安定発現させ、標的蛋白質間相互作用依存的に膜局在によって増殖シグナルを伝達させるSOLIS法の開発に成功した。このSOLIS法を用いて、細胞内抗体選択ができるかについて、いわば理想的な抗原である緑色蛍光蛋白質GFPと抗GFP細胞内抗体VHHを標的蛋白質のペアとして用いて実証することにも成功した。しかし、SOLIS法による細胞内抗体選択が、構造が不安定で発現量も低いことが想定される疾患抗原に適用できるかは未知数であった。そこで本年度は、過去に論文で公開されている疾患抗原と細胞内抗体のペアについて、以下の前提のもとで設計するキメラ蛋白質に組み込み、細胞増殖によって抗原抗体相互作用を検出できるかを検証した。本研究で開発しているSOLIS法による細胞内抗体選択においては、概念実証で用いた理想的な抗原であるGFPと実際の疾患抗原は、細胞内での局在や凝集性、可溶性などの観点で全く異なる性質が予想され、プローブとなるキメラ蛋白質の発現量や、抗原-抗体相互作用時の配向性について、詳細な基礎検討を要する。そこで本年度は、4種類の配向性を持ったキメラ蛋白質を構築し、抗原-抗体相互作用の検出感度を系統的に比較した。その結果、配向性の違いによって検出感度の相違は見られるものの、疾患抗原とそれに対する細胞内抗体クローンの特異的な相互作用が検出できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、SOLIS法による細胞内抗体選択が疾患抗原に適用できるかどうか検証することが目標であった。実際に、キメラ蛋白質の配向性の違いによって検出感度の相違は見られるものの、疾患抗原とそれに対する細胞内抗体クローンの特異的な相互作用が検出できたことから、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
SOLIS法によって、抗体ライブラリーから疾患抗原に対する特異的な細胞内抗体クローンが得られるかどうかを検証する。
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