研究課題/領域番号 |
23K17862
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡本 行広 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (50503918)
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研究分担者 |
大城 敬人 大阪大学, 産業科学研究所, 特任准教授(常勤) (10462665)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | エマルジョン / 脂質 / 抽出 / 電気化学検出 / 機械学習 / ナノポア / 多様性 / 前処理 |
研究開始時の研究の概要 |
DNAやタンパク質などの水溶性分子は疾患研究と関連して,分離法や解析法が精力的に研究されてきた.しかし,脂質などの非水溶性分子に関しては,分離法や解析法は存在するが,疾患研究で要求される分離性能,濃度感度,操作の簡便さなどの点で,これら手法は依然として課題を多く抱えている.そこで,脂質分子の研究を加速させ,疾患研究に応用可能な分離法・解析法の研究が必須であり,これを本課題では取り組む.
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研究実績の概要 |
脂質分子は,核酸・タンパク質に続くバイオマーカーとして注目されている.現状のリピドミクス分析では,(i)細胞からの脂質抽出および液体クロマトグラフィーにより脂質を分離後,(ii)質量分析による構造解析が行われている.しかし,現行法は,分離性能,検出限界,脂質の構造解析の能力の点で,限界に到達しており,リピドミクスの飛躍をこれ以上望めない.つまり,リピドミクスの発展には新規原理の確立が不可欠である.そこで,新たなリピドミクス解析法の確立を目指す.このため,本年度は,以下の2項目に関して研究を実施し,以下の成果を得た. (I) 脂質抽出法の確立;脂質分子単独,またリポソーム単独の試料を用いて,抽出剤による脂質分子の抽出性能(回収率,選択率など)を評価した.その結果,条件の再検討(抽出時間、温度などの条件)は必要と思われるが,現状の手法と遜色ない結果を得ることに成功した.また,同時に,抽出に及ぼす抽出剤の特性を解析し,細胞からの脂質分子の抽出に最適と考えられる抽出剤を決定した. (II) ナノポア電極による脂質1分子検出と機械学習の併用による脂質1分子の構造解析の実証: 各種脂質分子に対して,ナノポア電極による検出および機械学習による構造解析を試みた.その結果,脂質分子をナノポア電極で検出することに成功するとともに,機械学習により,各種の脂質に特徴となるシグナルを見出し,本手法が脂質の検出・解析に利用可能であるという結論に至った.また,各種の機械学習の方法を比較検討し,最適と考えられる機械学習法を見出しつつある状況である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度計画していた脂質抽出法の評価,そしてナノポア電極による脂質1分子検出と機械学習の併用による脂質1分子の構造解析の実証を行い,申請時に想定している方法論により,本申請の目的の達成の見込みがたったため.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,当初の予定どおり,申請者間で共同で実施して、細胞からの脂質分子の抽出/検出/解析の統合デバイスの開発を試みる.この目的のため,抽出と検出をスムーズに実施可能な統合デバイスの設計および作製,そして,一貫操作を行う際の問題点を検討し,それを基に,操作条件の最適化を行っていく.
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