研究課題/領域番号 |
23K17890
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分30:応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
鈴木 大地 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (80823640)
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研究分担者 |
野々口 斐之 京都工芸繊維大学, 材料化学系, 講師 (50610656)
瀧田 佑馬 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 研究員 (50714820)
加藤 悠人 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (70635820)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | テラヘルツ / カーボンナノチューブ / プラズモン共鳴 / レーザーアブレーション / 非破壊検査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では1次元ナノ構造体であるCNT膜で特異的に発生するエレクトロン(個)とプラズモン(集)の2種の共鳴を併用した双共鳴THz光学現象の解明・制御・応用に挑む。これはエレクトロニクスとプラズモニクスを繋ぐ新たな光学現象を探求する萌芽研究であり、本研究が達成された暁には、光学・電磁気学・材料科学における新規研究領域の創出や、THz帯電磁波を活用した新規産業技術の創出が期待される。
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研究実績の概要 |
本研究では、双共鳴THz光学現象の「1.解明:双共鳴現象の発生条件明確化・基礎特性の解析および計測」「2.制御:CNT膜のミクロとマクロな条件操作による双共鳴現象の制御」「3.応用:双共鳴THz光学フィルタ・センサーによる通信・センシング応用」の研究項目に取り組むことで、「1)個と集の双共鳴THz光学現象の発生条件・特性を解明」「2)マクロとミクロな材料操作を通じた双共鳴現象の特性任意制御を達成」「3)双共鳴THz光学素子の作製と通信orセンシング応用の達成」の3つの研究目標達成を目指す。 「研究項目1.双共鳴現象の解明」については、事前実験と材料条件をそろえたTHzアンテナを作製し、THz帯の超広帯域スペクトル計測とHFSSによる電磁界解析を通じて双共鳴現象の共振周波数等の特性を解明した。 「研究項目2.双共鳴現象の制御」については、膜厚、ピッチ、形状、基板等のマクロな材料条件変更を通じたキャリア共振の制御と、CNTの配向、キャリア濃度等のミクロな材料条件変更を通じたプラズモン共鳴の制御の両方に取り組んだ。 「研究項目3.双共鳴現象の応用」については、キャリア共振(バンドパス・偏光制御)とプラズモン共鳴(THz帯広帯域吸収)の強みを活かした新規THz光学素子を作製した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
「研究項目1.双共鳴現象の解明」については、2023年度はTHz帯の超広帯域スペクトル計測とHFSSによる電磁界解析を行う予定であり、当初の計画通りに進展している。 「研究項目2.双共鳴現象の制御」については、2023年度はCNT膜をライン&スペース=5um&5umで形成する高アスペクト比微細加工技術を構築した。2024年度はCNTの配向・キャリア濃度等のミクロな材料条件を変更したTHzアンテナを作製しTHzスペクトル測定を行う予定であり、当初の計画通りに進展している。 「研究項目3.双共鳴現象の応用」については、本来2024年度から始める課題であったが、計画を前倒しして開始することで2023年度中にアンテナ結合熱型THzセンサーの作製ができており、当初の計画以上に進展している。 以上の点から、2023年度は当初の計画以上に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
「研究項目1.双共鳴現象の解明」については、HFSSによるTHz帯の電磁界解析を行う予定である。 「研究項目2.双共鳴現象の制御」については、CNTの配向・キャリア濃度等のミクロな材料条件を変更したTHzアンテナを作製しTHzスペクトル測定を行う予定である。 「研究項目3.双共鳴現象の応用」については、アンテナ結合熱型THzセンサーの特性評価・センシング応用を行う予定である。
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