研究課題/領域番号 |
23K17894
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分31:原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
近田 拓未 静岡大学, 理学部, 准教授 (20614366)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | トリチウム / 除染 / ガンマ線 / タングステン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、核融合炉の実現に向けて最重要課題の一つである、材料中に蓄積したトリチウムの除染に関する新技術に取り組むものである。トリチウムはプラズマ容器の内壁を構成する材料中に大量に滞留することが懸念されているが、近年、室温でのガンマ線照射によってセラミックス被覆中の水素同位体濃度が減少することが見出されたことから、この効果がプラズマ容器を構成する材料に適用できるか検証することで、新しい除染手法を提案する。
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研究実績の概要 |
本研究は、核融合炉の実現に向けて最重要課題の一つである、材料中に蓄積したトリチウムの除染に関する新技術に取り組むものである。近年、室温でのガンマ線照射によってセラミックス被覆中の水素同位体濃度が減少することが見出されたことから、この技術をトリチウムの蓄積がより深刻なプラズマ容器を構成する材料に適用できるか検討した。 一年度目である本年度は、プラズマ対向材料として使用が検討されているタングステンを用いて、水素同位体を蓄積させた後にガンマ線照射を実施し、照射の有無および照射量で水素同位体の量がどのように変化するか核反応分析法で測定した。本年度の結果として、タングステン中を比較的動きやすい水素同位体の量はガンマ線照射によって減少する傾向が見られたが、水素同位体全体の量は有意な減少傾向は見られなかった。これは、水素同位体が多く滞留している深さと、核反応分析の分析深さにずれがあったため、ガンマ線照射によるタングステン中の水素同位体の濃度分布の変化がとらえにくかったためと考えられる。また、プラズマ曝露による水素同位体導入では、一部の試料で放電現象にともなうアーク痕が生じ、水素同位体の滞留に影響を与えることが明らかになった。一方、ガス曝露によっては、試料表面から均一に水素同位体を導入できたと考えられる。今後、水素同位体濃度のより深い領域までの分析と、水素同位体滞留と分析の深さを調整した試料で同様に試験を行い、ガンマ線照射による影響を明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
タングステン材を用いた照射損傷の導入、水素同位体の導入、ガンマ線照射、水素同位体濃度分析の一通りを実施し、所定の結果を得たことから、概ね順調に進展していると判断した。今後、実験および分析パラメータの最適化によって、より多くの知見が得られると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
照射損傷の導入において、重イオンのエネルギーが高かったことから、損傷領域が表面から深い位置にあり、滞留量のガンマ線照射依存性が測定しにくい問題が生じた。この結果を受けて、今後は照射エネルギーを調整し、水素同位体の滞留領域と分析領域を合わせることで、ガンマ線照射効果をより鮮明に検出する。 水素導入については、水素プラズマ曝露ではアーク痕の影響が大きかったこと、およびガス曝露でも導入が可能であることが明らかになったため、今後はガス曝露による導入に主として取り組む。 ガンマ線照射パラメータに関しては、線量の他に線量率による依存性を調べる実験を計画する。
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