研究課題
挑戦的研究(萌芽)
有機化学の教科書によると、SN2反応(二分子求核置換反応)は1級及び2級の原料(ハロゲン化物等)に対してのみ進行すると書かれている.特にキラルな2級の求電子的炭素の場合は求核剤による選択的な背面攻撃によってきれいな立体反転が起きる.一方、それが3級の場合は立体的な要因によってSN1反応が優先され、結果的にラセミ体を与えるというのが一般的な説明である.そこで我々はこれまでとは全く異なる方法によって、複雑な天然物合成や医薬品研究にも簡単に応用できる実用的な立体反転法を開発し、関連分野に大きなインパクトを与える.