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共ドープによる固溶元素の安定化効果に基づく熱力学的に安定なバルクp型ZnOの創製

研究課題

研究課題/領域番号 23K17958
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
研究機関九州大学

研究代表者

大瀧 倫卓  九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (50223847)

研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
キーワード酸化亜鉛 / バルクp型ZnO / Liドープ / 共ドープ / p型酸化物 / アクセプタ / 酸化物エレクトロニクス
研究開始時の研究の概要

酸化物ワイドギャップ半導体である酸化亜鉛ZnOは、n型伝導が卓越するのが常であり、p型のZnOを安定的に得ることは極めて困難とされている。これまでのp型ZnOの報告は、非平衡状態が凍結される薄膜に限られており、熱力学的平衡条件下で合成されるバルクZnOセラミックスでは、安定なp型伝導は前例がない。本研究は、ZnOに複数の元素を同時に添加するとZnOへの固溶限が大幅に拡大するという特異な現象を利用して、通常は不安定なバルクZnOのp型ドーピングを熱力学的に安定化できる可能性を検討し、かつて前例のない熱力学的に安定なバルクp型ZnOの創製に挑戦する。

研究実績の概要

ZnOとLi2CO3とCuOを出発原料とし、O2雰囲気下1100 ℃で24 h常圧焼結し、試料を得た。XRDの結果から、全ての試料の主相はZnO相であった。Li4%試料では不純物相は見られなかった。一方、Cuを共ドープしたLi4%Cu4%試料、Li6%Cu4%試料では、原料のCuOが残っていた。Li, Cu共ドープ試料の導電率σは10^-5から10^-2 S/cmと低く、半導体的挙動を示した。一方、ゼーベック係数Sは全温度域で大きな正の値を示し、800 ℃までの温度サイクル後もp型伝導は保たれていた。常圧焼結したLi4%試料にCuを4%共ドープすることでσは増大し、Sは減少した。そのため、ホールキャリア濃度はLi4%Cu4%試料の方が高いと思われ、Cuを共ドープすることでZnOへのLiの固溶限が拡大したことが示唆される。σはLi4%Cu4%試料よりLi6% Cu4%試料の方が高温域で約2倍高くなった。これはLi量を増やすことでホールキャリア濃度がさらに増大したためと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度は課題の初年度であったが、入居している研究棟の大規模改修工事が行われたため、年度当初に研究室を完全に他の建物に移転した。仮移転であり、使えるスペースは元の半分程度しかないため、利用できない装置などが多数発生した。このため、実験の実施にかなりの遅延が発生した。また、予定していたプローバの購入を1年遅らせることになった。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策には、現時点で当初計画から大きな変更点はない。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-07-04   更新日: 2024-12-25  

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