研究課題/領域番号 |
23K17962
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
下嶋 敦 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90424803)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | シロキサン / エラストマー / ナノ粒子 / メソポーラスシリカ |
研究開始時の研究の概要 |
シロキサン結合(Si-O-Si)からなるシリコーン樹脂は耐熱性・耐候性・絶縁性などに優れることから、幅広い分野で利用されている。本研究では、直径数ナノメートルのメソ細孔を有するシリカナノ粒子(MSN)とポリジメチルシロキサン(PDMS)をナノレベルで混合し、メソ孔内部までPDMSを貫通させることで、従来のシリコーン樹脂よりも強度の高い“物理架橋型”シリコーン樹脂を創出することを目的とする。粒径、細孔径、細孔構造、表面の親疎水性が精密制御されたMSNを合成し、分子量や末端基の異なるPDMSとの複合化を行い、構造・物性評価により設計指針を確立する。
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研究実績の概要 |
シロキサン結合(Si-O-Si)からなるシリコーン樹脂は耐熱性、耐候性、絶縁性などに優れることから、幅広い分野で利用されている。本研究では、貫通孔を有するメソポーラスシリカナノ粒子を用い、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を物理架橋することで新しいシリコーン系エラストマーを作製することを目的としている。まず、粒径50 nm未満の球状メソポーラスシリカナノ粒子を作製し、粒子の分散性を保持した状態で、鋳型である界面活性剤の除去と表面シラノール基のトリメチルシリル化を行った。固体NMR分析, 電子顕微鏡観察、窒素吸着測定などにより詳細なキャラクタリゼーションを行った。次に、得られたメソポーラスシリカナノ粒子の分散液を様々な平均分子量のPDMSと混合した後、溶媒を揮発させるという簡便な操作によって複合化を行った。分子長がメソポーラスシリカナノ粒子よりも十分に大きい、比較的高分子量のPDMSを用いた場合、透明なエラストマーを得ることに成功した。電子顕微鏡観察により、エラストマー中にメソポーラスシリカナノ粒子が凝集せずに分散していることが確認された。また、熱重量分析により、メソポーラスシリカとの複合化によってPDMSの分解温度が大きく高まったことが確認された。メソ孔を持たない無孔質のシリカナノ粒子を用いてPDMSとの複合化を行った場合、溶媒揮発にともなって粒子の凝集が起こり、透明なエラストマーは得られなかった。以上の結果から、メソ孔がPDMSとの複合化に重要な役割を果たしていることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に従って、メソポーラスシリカナノ粒子を架橋剤として用いてポリジメチルシロキサン系エラストマーの作製に成功しており、順調に研究が進展していると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られたエラストマーにおいて、メソポーラスシリカが化学架橋点ではなく、物理架橋点として働いていることを証明することが重要である。そのために、合成面ではPDMS末端のシラノール基をキャッピングすること、また分析面では二次元固体NMRによる評価を行う予定である。また、得られた透明エラストマーの力学的特性を評価するためにスケールアップ合成を行い、動的粘弾性測定、引っ張り試験、剪断試験等を実施する。加えてシリカナノ粒子と化学架橋した従来型のシリコーン樹脂を比較対象として、本設計の優位性・有用性を具体的に明らかにする。
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