研究課題/領域番号 |
23K17972
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三木 卓幸 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任講師 (20823991)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 蛍光センサー / 蛋白質間相互作用 / TICT / HDM2 / ペプチド / バイオセンサー / タンパク質間相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
創薬において、薬剤と標的蛋白質との結合を生細胞で直接的に評価することはリード化合物の探索や薬剤の作用機序の解明に必須である。本研究では、タンパク質間相互作用面に結合する阻害剤の作用を細胞内で直接的に蛍光検出するプローブ分子を、ペプチドと分子ローターを用いた分子戦略「RsHP(Rotorstapledhelical peptide)」によって合理的に且つ汎用的に開発する。ガン関連タンパク質であるHDM2を標的にして、本アプローチの有効性を評価する。
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研究実績の概要 |
創薬において、薬剤と標的蛋白質との結合を生細胞で直接的に評価することはリード化合物の探索や薬剤の作用機序の解明に必須である。実際に、酵素や触媒活性を可視化する蛍光プローブの開発によって革新的に小分子創薬が加速した。しかし、タンパク質相互作用面は触媒活性をもたずフラットな形状であるため、従来の蛍光プローブの設計指針は適用できない。そのため、細胞内での相互作用は間接的にレポーターアッセイ等で評価されてきた。本研究では、PPI阻害剤と標的蛋白質との結合を細胞内で直接的に蛍光検出するプローブ分子を、ペプチドと分子ローターを用いた分子戦略「RsHP(Rotorstapledhelical peptide)」によって合理的に且つ汎用的に開発する。 本年では、緑色蛍光蛋白質GFPの蛍光団(benzylidene imidazolinone)を用いた。これはTICT機構により、自由に運動できる場合では消光状態であるが、粘性の高い環境に置かれると分子回転が抑制されて発蛍光性の物質に変わる。この蛍光団をペプチドに連結するため、benzylidene imidazolinoneにBoc保護したアミン基とカルボン酸が連結した化合物を合成した。 実際に、一般的なペプチド固相合成法により、本化合物を有するペプチドを合成できた。また、TFAによる脱保護後、環状化でき、これらの生成をMALDI-TOF MSで解析できた。 ラフな検討であるが、がん関連蛋白質であるHDM2に結合するペプチドをモデルに、蛍光応答性を確かめたところ、HDM2添加に伴った蛍光応答が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
合成に関しては、想定以上に進行した。 ただ、作成したペプチドは、HDM2との結合において蛍光応答は見られたが、強度が予測よりも低かった。これらのトラブルも想定済みであるため、他の蛍光団や配列の検討によってより、適した蛍光プローブを開発する。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り、ペプチド配列の最適化や、蛍光団の検討を行うことで、明瞭な蛍光応答をするペプチドセンサーを開発する。 特にHDM2に対して応答するセンサーを開発し、薬剤との結合を、競合阻害実験によって検出できるか、を主軸に置いて検討する。
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