研究課題/領域番号 |
23K17979
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
澤 智裕 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (30284756)
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研究分担者 |
志波 智生 京都工芸繊維大学, 応用生物学系, 教授 (80401206)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 超硫黄 / グルタチオン / システイン / パースルフィド / ポリスルフィド |
研究開始時の研究の概要 |
システインパースルフィドやポリスルフィドは、システインを基質として生合成される誘導体で、チオール基(-SH)にさらに過剰な硫黄原子が付加した構造を持ち、システインには見られない多彩な生物活性を示すことから“超硫黄分子”と呼ばれている。本申請者らは、システインパースルフィドの末端チオール基がメチル化されたS-チオメチルシステインやその関連分子であるS-チオメチルグルタチオンが培養細胞、マウス組織、ヒト尿中に存在することを発見した(未発表データ)。本研究では、この新規生体分子の生合成経路、生理活性、および老化や病態との関連について、新たに構築した精密定量法を用いて明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
システインパースルフィドやポリスルフィドは、システインを基質として生合成される誘導体で、チオール基(-SH)にさらに過剰な硫黄原子が付加した構造を持ち、システインには見られない多彩な生物活性を示すことから“超硫黄分子”と呼ばれている。本研究では、新たに生体内での生成が見いだされたS-チオメチルシステインとその関連分子について、超硫黄が示す多彩な生物機能の発現とどう関わっているのか、を明らかにしたい。そのために、①S-チオメチルシステインの合成経路、②細胞内レベル、③グルタチオンやタンパク質への転移を明らかにする。さらに、これまで超硫黄の機能としてわかっている、④抗酸化作用、⑤抗炎症作用、との関わりを明らかにする。最後に、個体レベルでどのような制御を受けているのかを、⑥臓器別レベル、⑦加齢との関係、⑧疾患モデルでの変動、から解析する。本年度はS-チオメチルシステインおよびS-チオメチルグルタチオンの質量分析による精密定量系を構築した。それをもちいて培養細胞およびマウス臓器における両化合物の検出を行った。また植物からの検出を試みた。その結果、培養細胞、マウス臓器において両化合物が検出された。また植物の解析から、にんにく中に高濃度のS-チオメチルグルタチオンが含まれることを発見した。にんにく中では通常のグルタチオンを上回る量が含まれていた。今後は生合成経路をさらに検討していく。特にメチル基転移酵素に注目して解析をすすめる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度はS-チオメチルシステインとS-チオメチルグルタチオンの高感度定量系を立ち上げ、それによって様々なサンプルでの解析ができるようになったため。
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今後の研究の推進方策 |
チオールのS-チオメチル化にかかわる分子を同定する。まずはじめにメチル基転移酵素についてその遺伝子を培養細胞でノックダウンし、その細胞におけるS-チオメチルシステインやS-チオメチルグルタチオンの量の変動を解析する。活性が予想された場合、その組み換え酵素を作成し、酵素学的な解析を行う。また並行して、老化マウスでの組織レベルを解析する。
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