研究課題
挑戦的研究(萌芽)
細胞内においてNADとNADPには一定の役割分担があるとされる。しかし、実際の酵素がNAD、NADPに対して示す選択性は必ずしも厳密ではない。この事実より研究代表者は、「NADとNADPの役割分担に必然性はなく、これらは進化の成り行きで偶然生じたものに過ぎないのではないか?」との仮説を抱くに至った。本研究では大腸菌を用いた適応進化実験により、NAD、NADPの役割分担が破綻した変異株、具体的にはNADPを要求せずNADのみに依存して生育できる変異株の創出を試み、この仮説の成否を検証する。誰しもが当然と考えてきた「NADとNADPは全ての生物で用いられる」という事実に反例を示すことに挑む。