研究課題/領域番号 |
23K18002
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中村 顕 筑波大学, 生命環境系, 教授 (10207863)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2025年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | Thermus thermophilus / tetR / directed evolution / thermostabilization |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質の熱安定性向上は産業利用の面からも重要であり、様々なタンパク質の耐熱化変異体の取得が試みられてきた。高度好熱菌Thermusを宿主としたdirected evolutionによる耐熱化変異体のスクリーニングは、耐熱化変異を獲得した場合のみコロニー形成できる条件を設定すれば、培養温度の上昇という簡単な操作で変異体を取得できる利点があるが、対象が限定されていた。そこで大腸菌転写調節因子TetRを対象に耐熱化変異体の取得を行う。これによりThermusでtet誘導体の添加という簡単な操作で誘導発現が可能な発現調節系の構築が可能となる上、タンパク質耐熱化レパートリーの拡張が可能になる。
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研究実績の概要 |
Thermusを宿主に耐熱化TetRをスクリーニングする系を開発するには、1) tetO部位を保持したThermusプロモーター(Ptet)の開発、2) tetRを発現するThermusプラスミドの作製、3) Thermusゲノム中の1705 toxin破壊株の作製、4) Thermusゲノム上にPtet-1705を保持する株(Ptet-1705T株)及びレポーターとしてPtet-TTP0042 (β-glycosidaseをコードする)を保持する株(Ptet-β-gly株)の作製、が必要である。 1)については、Thermusの強力プロモーターP31の-10領域の下流にtetO部位を挿入したPtet1、-35領域と-10領域の間と、-10領域の下流の2か所に挿入したPtet2、そして-35領域上流と-10領域下流に挿入したPtet3の3種類を作製した。これらはThermusゲノム中のlys領域に組み込み可能なプラスミド上で作製した。 2)については、Thermusの強力プロモーターPslpの下流にtetRを接続し、Thermusが保持するpTT8プラスミドに組み込むためのプラスミドを作製した。 3)については、ThermusのpyrE欠損株を宿主に、1705 toxin遺伝子にpyrE遺伝子を挿入することで破壊株を作製した。 4)については、Ptet-β-gly株を3種類のプロモーターを用いて作製し、Ptet-1705組み込み用のプラスミドを作製中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
プラスミドや菌株の構築にやや難航し、スクリーニング系の開発予定に遅れが出ている状態である。
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今後の研究の推進方策 |
レポーター遺伝子を保有するPtet-β-gly株の構築ができたので、これを用いて3種類のPtetプロモーターの強度やTetRによる発現抑制、Doxによる誘導発現の状況について、β-glycosidase活性を指標に検討を加える。さらに培養温度を変更することにより、TetRのin vivoでの耐熱性(何℃まで転写抑制が認められるか)を明らかにする。 上記と並行して、Ptet-1705T株の作製を進め、スクリーニングを開始する予定である。
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