研究課題/領域番号 |
23K18007
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
池田 丈 広島大学, 統合生命科学研究科(先), 准教授 (10505754)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ポリアミン / ポリマー / 細菌 / 酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、研究代表者が発見した長鎖ポリアミン合成酵素(ポリアミン鎖の伸長反応を触媒する)と、既報の分岐鎖ポリアミン合成酵素(鎖の分岐形成を触媒する)を組み合わせることで、ポリアミン構造(アミノプロピル基の繰り返し構造)を基本骨格とした新規バイオポリマーを合成するための技術開発を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、研究代表者が発見した新規ポリアミン合成酵素と、特性の異なる既報のポリアミン合成酵素を組み合わせることで、ポリアミン構造を基本骨格とした新規バイオポリマーを合成するための技術開発を行う。 当初の計画において反応の基質として用いる予定であった物質の入手が遅れているため、本年度は研究計画を変更して、二種の酵素の共発現を先行して実施した。発現条件を検討した結果、両酵素とも大腸菌細胞内で可溶性タンパク質として発現させることができた。それぞれの酵素を単独で発現させた組換え大腸菌の細胞よりポリアミンを含む画分を抽出し、高速液体クロマトグラフィーによる分析に供したところ、両酵素とも目的の活性を有していることが確認された。また、二種の酵素を共発現させた組換え大腸菌から抽出した画分では、既知のポリアミンとはわずかながら異なる位置にピークが検出された。これらの結果から、既知のポリアミンとは異なる構造を持つ新規ポリアミンが合成されたことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画において使用する予定であった試薬の入手が遅れているため、研究計画を変更せざるを得なかったが、変更後の計画において良好な結果が得られたことから、全体としてはおおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、得られた物質の構造を解析することで、目的とする物質が合成されたかどうかを検証する。 また、本物質を効率的に合成するための宿主大腸菌の構築を以下のように試みる。ポリアミン鎖の伸長反応におけるアミノプロピル基の供与体は、メチル基供与体として知られるS-アデノシルメチオニン(SAM)が酵素的に脱炭酸されることによって生じる脱炭酸SAMである。ポリアミン鎖の伸長には大量のアミノプロピル基が必要となることから、効率的な反応のためには脱炭酸SAMの円滑な供給が求められる。脱炭酸SAMの合成に必要な酵素、ならびに、その前駆体であるSAMの合成に必要な酵素の遺伝子を大腸菌に導入することで、脱炭酸SAM高生産株の構築を試みる。得られた株を宿主として二種のポリアミン合成酵素の共発現を行い、目的とする物質の合成量が向上するかを検証する。
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