研究課題/領域番号 |
23K18014
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
末永 光 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (90357252)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 反復配列 / 遺伝子発現調節 / メタゲノム / 微生物 / 合成生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに、独自の環境メタゲノム解析によって、9塩基からなる単純繰り返し配列とその繰り返し数の多型を発見した。さらに一連の実験によって、本反復配列は、繰り返しの数によって下流に存在する遺伝子の発現量を変化させるという、興味深い生命現象を見いだした。ここで研究代表者は、本反復配列は、従来のように遺伝子発現のオン・オフの切り替えを行う「スイッチ」ではなく、発現量をこまやかにコントロールできる、いわば「ボリューム」に相当するような遺伝子発現調節装置に展開し得ると考えた。この従来とは異なる原理の遺伝子発現調節装置を合成生物学分野に導入することで、革新的な 物質生産プロセスの創製へと道を拓く。
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研究実績の概要 |
0から10までの11種類の繰り返し数の反復配列を設計し、マーカー遺伝子の上流に挿入して、大腸菌発現用ベクターを構築した、複数の発現ベクターと大腸菌宿主の組み合わせを構築し酵素活性の測定を行った結果、最適な繰り返し数の傾向が確認された。さらに、大腸菌以外の宿主の場合にも同様の傾向が確認された。また、酵素の発現量を確認したところ、酵素活性と連動して発現量の増加が確認された。その一方で、in vitro 転写解析の結果、mRNAの合成量は一定量であった。これらの結果より、反復配列は転写量の増加ではなく、転写後のタンパク質翻訳の過程において影響を与えていることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
反復配列が遺伝子発現に及ぼす分子メカニズムを解明するために必要な実験結果を確実に得ている。P450遺伝子を用いた実験についても進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、反復配列がその下流に存在する酵素遺伝子のタンパク質生産に及ぼず分子メカニズムにの解明に取り組む。
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