研究課題/領域番号 |
23K18018
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
岩崎 寛 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 教授 (70316040)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 園芸療法 / 摘んで良い花壇 / 公園 / 地域住民 / 社会的健康 / 地域ケア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は地域の公園が、厚労省が目指す「地域ケア」を実践する場として有用であるかを明らかにすることを目的とし、公園内に「摘んで良い花壇」を設置し、地域住民への社会的健康効果について検証するものである。現在の公園は、花を摘むなど植物と関わることを禁止する項目が多く、その結果、地域住民の公園との関わりが低下し、地域ケアの場として社会的健康を醸成する機能が十分に発現できていない。園芸療法の既往研究では植物を摘む行為が満足感・幸福感・継続意欲に繋がり、心理的効果が高いことが報告されている。 そこで本研究は、公園内に【摘んで良い花壇】を設置し、地域住民の心理や行動に与える効果について検証するものである。
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研究実績の概要 |
<検証1(個人への効果)「見る」行為と「摘む」行為の心理的効果の比較>:従来の花壇(見る行為)と本提案(摘む行為)による心理的効果の違いを明らかにするために、ヒアリング調査を実施した。 <検証2(地域への効果)「摘んで良い花壇」の実践による社会的健康効果の検証>:検証1を実施した公園周辺の住民に対し、アンケート調査を実施し、「摘んで良い花壇」に対する認識、意識や行動の変化、地域住民との関わりなどについて把握することを試みた。 検証1,2の結果から、摘んで良い花壇の認識や利用は、まだ一部の住民に限られていることが明らかとなった。よって、今後は地域住民への認知を高めること、利用に結びつけることへの対応が必要であると考えられた。 <検証3(長期的評価)「摘んで良い花壇」の持続可能性の検証>:「摘んで良い花壇」の持続可能性を検証するために、継続的な実証実験や、他の地域での検証を行うことで汎用性を高める必要がある。そこで、山口県や兵庫県など様々な地域において現地調査を実施し、市町村への協力依頼を実施した。その結果、山口県柳井市で実証実験を行うことになり、2024年度から摘んで良い花壇を設置することが決まった。そこで、2023年度は住民への説明会などを開催し、実証実験開始に際し、地域における理解を得た。また、全国のハーブ園で実施されている「摘み取りプログラム」の調査として、兵庫県にある布引ハーブ園を見学し、提供されているプログラムの調査を実施した。 これらの結果は2024年度に関連学会で発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、地域住民へのアンケート調査が実施できた。また、新たな実践の場所として、柳井市の協力を得られることが出来、2024年度から摘んで良い花壇のフィールドが追加された事から、次年度の研究計画が明確に立てられた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、引き続き、千葉大の摘んで良い花壇のモニタリング、および地域住民へのアンケート調査を実施すると共に、新しく設置する柳井市の摘んで良い花壇の整備、提供を行い、モニタリング、アンケート調査を実施する。その上で、地域や周辺環境が異なる2箇所の摘んで良い花壇を比較し、他の地域への展開について検討を行う予定である。
さらに、アンケートだけでなく、摘んで良い花壇参加者の発話分析なども実施し、社会的健康への効果についても考察する予定である。
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