研究課題/領域番号 |
23K18023
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
橋本 将典 静岡大学, 農学部, 准教授 (20615273)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | カドミウム / 根圏微生物 / シロイヌナズナ |
研究開始時の研究の概要 |
カドミウムは、主に飲料水や食品を介して人体に取り込まれ蓄積すると、腎機能障害など様々な慢性中毒症状を起こすほか、イタイイタイ病の原因物質としても知られる。我が国は、高度な工業化や酸性の土壌環境などを背景として農作物のカドミウム吸収被害が顕在化しやすく、農業生産におけるカドミウム吸収抑制対策が課題となっている。 本研究では、植物の根圏に生息する根圏微生物が植物のカドミウム吸収を抑制する機能メカニズムを、植物と微生物の両面から明らかにすることを目的とする。本研究の成果により、様々な作物に適用可能な、根圏微生物叢を利用した新たなカドミウム吸収抑制技術の開発が 期待される。
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研究実績の概要 |
本年度は,植物の根から分泌される二次代謝産物の合成を欠損するシロイヌナズナ変異体を自然土壌で生育させ,地上部のイオノーム解析を行った。その結果,いくつかのミネラルの蓄積量が変異体と野生型を比較した場合に変化した。また,変化するミネラルの種類は土壌によって異なっていたが,土壌の種類によらずカドミウムの蓄積量は変異体で顕著に増加することが明らかになった。このことから,根から分泌される二次代謝産物が自然土壌におけるカドミウムの蓄積を抑制する機能を持つ可能性が示唆された。 根圏微生物叢を無菌的に生育させた植物に接種する実験系を用いて,植物生育用培地に塩化カドミウムを様々な濃度で添加した。その結果,カドミウムの添加により葉の黄化症状を伴う典型的なカドミウム過剰ストレスを再現する条件を明らかにした。また,根圏微生物叢の接種によりカドミウム過剰ストレスの表現型の変化が観察された。以上のことから,確立した実験系は植物のカドミウム蓄積における根圏微生物叢の機能を調べるのに有効であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
植物のカドミウム蓄積における根圏微生物叢の機能を調べるという本研究の目的に向けて,必要な実験系が確立できたため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に沿って研究を推進する。特に、カドミウム過剰ストレスの変化に関わる植物側の反応経路や微生物側の要因に着目して解析を進める。
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