研究課題/領域番号 |
23K18029
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
近藤 秀樹 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (40263628)
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研究分担者 |
鈴木 信弘 岡山大学, 資源植物科学研究所, 教授 (70206514)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ウイルス / 絶対寄生菌 / 多様性 / 水平伝搬 / ヴァイロコントロール |
研究開始時の研究の概要 |
植物病原糸状菌で発見される菌類ウイルスには、生物防除因子として病原菌制御技術・ヴァイロコントロール(VC)へ利用が期待されるウイルスが存在する。そこで本課題では、これまで見逃されてきた人工培養が難しい絶対寄生菌のウイルス叢に注目し、そこに存在するウイルスを明らかにすることでVC因子の探索を可能とする。その上で、モデル糸状菌ウイルス解析系を用いてそれらウイルスのVC因子ポテンシャルを評価するとともに、ウイルスの水平伝搬試験を行う。以上により、絶対寄生菌であっても将来的に利活用可能なVC因子候補の探索・評価に挑戦する。
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研究実績の概要 |
本課題では、これまで見逃されてきた人工培養が難しい絶対寄生菌(うどんこ病菌・さび病菌)を宿主とする菌類ウイルスの特徴づけを進め、ウイルスを用いた生物防除(ヴァイロコントロール)に資する候補因子の探索と評価実験法の確立を目指している。初年度は、植物研などのムギ類圃場を中心に、うどんこ病菌・さび病菌に感染するウイルスの探索を進めた。先行研究から取り組んでいるアカクローバーうどんこ病菌に加え、エンドウうどんこ病菌(岡山大学・豊田和弘教授より分譲いただいた)のウイルス叢解析により、dsRNAゲノムを持つトティウイルス群が優先的に見出されてきており(一部データの再解析を含む)、そのうち新規種や系統についてはRT-PCRによる配列解析とRLM-RACEにより全長ゲノム配列の決定を進めている。さらに、植物研圃場で異なる年度に採集したアカクローバーうどんこ病菌サンプルを用い、既知トティウイルスの発生・感染状況を調査した。また、植物研圃場や周辺の作物(ムギ類など)や雑草類に寄生するうどんこ病菌・さび病菌の保存サンプル数検体について、ウイルス叢解析のためのRNA-seqデータを取得した。ウイルス粒子精製については、アカクローバーとエンドウのうどんこ病菌を育成室で増殖し、解析に必要な分生子ストックの取得を進めてきている。また、うどんこ病菌の抗ウイルス機構の共通性や他菌種との違いを理解するために、エンドウうどんこ病菌の小分子RNA分画についてRNA-seqを行い、現在その配列の解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先行して解析が進んでいたアカクローバーうどんこ病菌に加え、エンドウうどんこ病菌にもトティウイルスが複数見出され、そのうち新規種や系統についての配列解析がおおむね完了した。さらに、他の圃場サンプル(ムギや雑草類など)のうどんこ病菌・さび病菌についても、ウイルス叢を理解するためのRNA-seqデータの解析に取り掛かることができた。なお、ウイルスの粒子精製については、植物育成室占有スペースの問題から、必要なサンプル取得に時間を要したため、今年度は十分な検討を進めることができていない。また、抗ウイルス機構の共通性や相違点を理解するための基盤データとして、エンドウうどんこ病菌の小分子RNA配列のRNA-seqデータの解析を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね当初の計画どおりで進める予定である。アカクローバーとエンドウうどんこ病菌については、トティウイルス以外のウイルスのゲノム配列についても精密な解析を進める。また、その他のうどんこ病菌・さび病菌のウイルス叢解析を進めることで、絶対寄生菌ウイルスの共通性(共進化)や独自性についてその一端の理解を目指す。ウイルスの粒子については、先行研究をベースに精製を進め、モデル糸状菌への導入実験に取り組む予定である。また、一部のRNAウイルスについては全長ゲノムcDNAの取得を目指す。
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