研究課題
挑戦的研究(萌芽)
イネばか苗病菌は、ジベレリン(GA)を生産し、イネに特徴的な徒長症状を引き起こす。ばか苗病菌が生産する主なGA分子種はGA3である。興味深いことに、GA3生合成の前駆物質GA4とGA7はGA3よりも顕著に高い生長促進活性を示す。代表者らは、最後の2段階を触媒する酵素desとP450-3の遺伝子破壊によって作出したGA4生産株とGA7生産株が、野生株に比べ、顕著な徒長を引き起すことを確認した。この結果は、本菌ではdesとP450-3の機能によって、病原力が抑制されていることを示した。本研究では、ばか苗病菌の“強すぎない病原力”の生態的・進化的意義について、本菌のイネへの感染環を踏まえて検証する。