研究課題/領域番号 |
23K18033
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
松村 浩由 立命館大学, 生命科学部, 教授 (30324809)
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研究分担者 |
原田 隆平 筑波大学, 計算科学研究センター, 准教授 (60612174)
深山 浩 神戸大学, 農学研究科, 教授 (60373255)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | Rubisco / 構造 / 機能 / 計算科学的解析 |
研究開始時の研究の概要 |
先行研究によって、イネRubiscoに比べてHybrid Rubiscoの触媒速度(kcat)が約2倍に上昇し、Hybrid Rubiscoを発現したイネの光合成は増強することが判明した。しかし、「なぜ活性部位を構成しないRbcSの置換でkcatが上昇するのか?」、また「どのアミノ酸が鍵となってRubiscoのkcatを上げるのか」という根本的な問いの答えは不明である。そこで本研究では、Hybrid Rubiscoの精密構造数の蓄積、超巨大系Rubiscoの動きに着目した計算科学的解析、および生化学的解析によるフィードバックによって全てのRubiscoを改良する普遍的ルールを導き出す。
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研究実績の概要 |
本研究では、CO2固定酵素Rubiscoを改良する構造的要因を決定するために、(1) Hybrid Rubiscoの精密構造解析、ならびに(2) Rubiscoの計算科学・生化学的解析を実施した。 (1)については、高い精度で計算科学的解析を実施するためには、Hybrid Rubiscoの精密構造の数を増やす必要がある。そこで、イネの非光合成組織で発現するスモールサブユニットとイネラージサブユニットが会合した新規のHybrid RubiscoのX線結晶構造解析を実施した。その結果、1.9A分解能での構造解析することに成功した。この解析によって、Rubiscoの運動性上昇の要因についていくつか仮説を立てるに至っていて、今後計算科学的な解析を実施する予定である。また、藍藻Rubisco(SyRubisco)と好熱性藍藻Rubisco(ThRubisco)のHybrid Rubiscoの構造研究においても進展がみられた。ThRubiscoのラージサブユニットとSyRubiscoのスモールサブユニットが会合したHybrid Rubiscoにおいても2.28A分解能での構造解析にも成功した。このHybrid Rubiscoにおいても、スモールサブユニットが異なることによってkcatが変化する理由についていくつか仮説を立てている。(2)については、筑波大学のスーパーコンピュータCygnusを用いてRubiscoの計算科学的解析を実施し、全原子モデルを用いた高精度なMD計算により、数100ナノ秒のダイナミクス抽出に成功した。生化学解析についても、上述のイネの非光合成組織で発現するスモールサブユニットとイネラージサブユニットが会合した新規のHybrid Rubiscoの活性測定によって、kcatが上昇していることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)についてはHybrid Rubiscoの2例の構造解析にも成功しており順調に進展している。(2)においても全原子モデルを用いた高精度なMD計算により、数100ナノ秒のダイナミクス抽出に成功して、さらに生化学解析も実施できており、順調に実施できている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続いて、(1) Hybrid Rubiscoの精密構造解析、ならびに(2) Rubiscoの計算科学・生化学的解析を実施しすることで、Rubiscoを改良する構造的要因を決定する予定である。
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