研究課題/領域番号 |
23K18068
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分41:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
源川 拓磨 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 上級研究員 (10571698)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 近赤外 / ステルス印刷 / 可食性インク |
研究開始時の研究の概要 |
見えない二次元コードを農産物の表面に印字できれば,農産物の外観を損なわずに個体識別管理が可能となる。この農産物向けの近赤外ステルス印刷技術を実現するために,本研究は「見えない可食性インク素材の選定」および「印字の読み取りに用いる近赤外波長の決定」を目的とする。本研究は農産物の個体識別によるトレーサビリティを実現するための要素技術を世界に先駆けて開発しようとするものであり,農産物の流通に関する経済学的研究や工学的研究において,圃場から食卓までの追跡調査を実現する研究ツールとなることが期待される。
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研究実績の概要 |
見えない二次元コードを農産物の表面に印字できれば、農産物の外観を損なわずに個体識別管理が可能となる。この農産物向けの近赤外ステルス印刷技術を実現するために、本研究は「見えない可食性インク素材の選定」および「印字の読み取りに用いる近赤外波長の決定」を目的とする。2023年度の研究実績の概要は以下のとおりである。 本研究における近赤外吸収色素の候補はデンプン、糖、寒天、ゼラチン、食用乾性油であり、これらを含有する可食性インクで農産物(リンゴ果実および甘藷)の表面に二次元コードを印字する。本年度はデンプンを原料とする可食性インクを自作し、リンゴ果実に星マークを印字した。可視画像および近赤外画像では星マークは確認できない状態であったが、近赤外スペクトルに対してデータ処理を行うことによって星マークを特定の波長の近赤外画像で確認できることを確認した。 上記データ処理に関して、被写体以外の背景ピクセルを取り除くことによって印字部分のコントラストを高められることが想定された。そこで分光スペクトル情報に基づいて背景ピクセルを自動的に識別・除去する手法をリンゴ果実に適用したところ、精度よく背景ピクセルを除去することができた。さらに鏡面反射によって白飛びしたピクセルについても除去することができた。 二次元コードの印字についてはインクジェット式フードプリンターを用いる予定であったが、インクの調合は外部専門機関に委託する必要が生じたため、別の印字方法を考案し、今後の研究にはこの新規手法を採用することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
背景ピクセルの除去法の適用および印字方法について変更は生じたものの、おおむね当初の計画どおり進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、可食性インクの種類を増やすとともに、データ処理法について最適条件を自動的に設定するアルゴリズムを開発する。
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