研究課題/領域番号 |
23K18077
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 大貴 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任講師 (60843216)
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研究分担者 |
中川 貴之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40447363)
高橋 洋介 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (50912549)
池田 凡子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (60967339)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 犬悪性黒色腫 / 間葉ーアメーバ転換 / 犬 / 悪性黒色腫 / ROCK / 間葉-アメーバ転換 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性腫瘍による死亡の主な原因は転移である。したがって、人や犬の死亡原因の第1位となっている悪性腫瘍の克服のためには、転移機構を標的とした新規がん治療薬の開発が必須である。これまでに犬悪性黒色腫において、PDPN-ROCK-MLC2シグナル経路を介した間葉-アメーバ転換による転移促進機構を同定してきた。そこで、本研究ではPDPN-ROCK-MLC2シグナル経路を標的に犬悪性黒色腫細胞の転移を阻害する新たな治療法の開発に挑戦する。
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研究実績の概要 |
悪性腫瘍(がん)による死亡原因の90%以上は転移であることから、転移機構を標的とした新規がん治療薬の開発が必須である。本研究では犬悪性黒色腫において、PDPN-ROCK-MLC2シグナル経路を介した間葉―アメーバ転換を標的とした腫瘍の転移阻害療法という新しい概念のがん治療法の開発に挑戦する。 今年度は、上記概念を検証するために、PDPNをCrisprCas9法にて欠損させた犬悪性黒色腫細胞株2株を用いて、マウス皮下移植およびマウス尾静注による肺転移評価モデルにおけるin vivo検証を行った。その結果、PDPN欠損犬悪性黒色腫細胞株を移植したマウスでは、コントロール群に比べ有意に腫瘍系が小さく、PDPN欠損犬悪性黒色腫細胞株移植腫瘍組織では、転移につながるアメーバ様形態をとる一細胞浸潤細胞の数も少なかった。さらに、マウス尾静注肺転移モデルにおいても、PDPN欠損犬悪性黒色腫細胞株投与群では有意に肺転移結節数が少なかった。したがって、犬悪性黒色腫において、PDPN-ROCK-MLC2シグナル経路を介した間葉―アメーバ転換を標的とすることで、転移阻害療法を実現できる前臨床Proof of Conceptが得ることができた。現在、PDPN-ROCK-MLC2シグナル経路の阻害活性を有するROCK阻害剤の犬悪性黒色腫細胞株を移植したマウスモデルを用いたin vivo効果について検討を行うために条件検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PDPN欠損犬悪性黒色腫細胞株を移植したマウスin vivoモデルにて、本研究仮説を肯定するデータが得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
マウス皮下移植および肺転移モデルにおいて、PDPN-ROCK-MLC2シグナル経路を介した間葉―アメーバ転換を標的とすることで、転移阻害療法を実現できる前臨床Proof of Conceptが得られたことから、今後は、PDPN-ROCK-MLC2シグナル経路の阻害活性を有するROCK阻害剤のin vivo効果について検討を進める。具体的には、ROCK阻害剤の投与方法について検証を行うとともに、ヌードマウスへの犬悪性黒色腫細胞株の移植条件の検証を行った後に、犬悪性黒色腫細胞株を移植した担がんマウス皮下移植または肺転移モデルに、ROCK阻害剤の投与を行い抗腫瘍効果の検証を行う。
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