研究課題/領域番号 |
23K18117
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
村川 武志 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (90445990)
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研究分担者 |
馬場 清喜 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 構造生物学推進室, 主幹研究員 (00437344)
福井 健二 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (00466038)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2025年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | トパキノン / HAG法 |
研究開始時の研究の概要 |
現在,タンパク質結晶のX線回折測定は,放射線損傷を低減するため極低温で行うことが多い.しかし,結晶を凍結させることにより室温で取りうる多彩な構造が失われ,また得られた構造は温度情報が曖昧なため,エネルギー的議論を行うことが難しい.本研究は “in crystallo 酵素反応解析”の確立を目指し,正確に温度コントロールされた酵素結晶に対して,基質および酸・塩基などを吹き付け,構造変化を経時的なX線回折測定により検出する.これにより,構造,速度およびエネルギー論的な見地に基づいた反応機構の解析を行う.
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研究実績の概要 |
本研究は “in crystallo 酵素反応解析”の確立を目指し,非凍結測定手法であるHAG法(湿度調整と水溶性ポリマーのコーティングを用いたタンパク質結晶マウント法)を用いて,正確に温度コントロールされた酵素結晶に対して,基質および酸・塩基などを吹き付け,構造変化を経時的なX線回折測定により検出する.これにより,構造,速度およびエネルギー論的な見地に基づいた反応機構の解析を行う. 本年度は,研究試料として土壌細菌Arthrobacter globiformisに由来した銅アミン酸化酵素 (AGAO)を使用し,本酵素の補酵素であるトパキノン(TPQ)の生合成過程における,前駆体Tyr残基からTPQへの構造変化機構の解明を行った. 補酵素TPQは,酸素および銅イオン存在下で,前駆体Tyr残基から自己触媒的に生成する.このため,まず我々は銅イオン非存在下で,本酵素の前駆体(Tyr型)の結晶を作成した.得られた結晶を嫌気条件下で銅イオン溶液に浸漬後,SPring-8のビームラインに設置されたHAG装置にマウントした.結晶への吹付け気流を,窒素ガスから酸素(空気)に切り替えることにより,結晶内でのTPQ形成反応を開始した.経時的に回折測定を行い反応を追跡し最終的にTPQが形成したことを確認した.回折実験に並行し,ビームラインに設置されたオンライン型結晶顕微分光装置による測定も行った.現在,詳細な解析を行っているが,構造変化についての重要な知見が得られ,我々がこれまでに提案した反応スキームをさらに拡張できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに試料調製や測定の条件を十分に固めることができたため,スムーズに本格測定を始めることができ,良好なデータが得られている.すでに,結晶内で前駆体Tyr残基からTPQへの構造が大きく変化することを回折データおよび分光データから明らかにした.
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今後の研究の推進方策 |
令和五年度の本測定でおおよそのデータは取得している.本年度は得られたデータの解析と,より踏み込んだ測定を行う.実験条件をより細かく振り,また,回折測定と分光測定をリンクさせ,より定量的な構造データを得る.更にpHジャンプについての予備測定も行う予定である.
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