研究課題/領域番号 |
23K18157
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
古林 真衣子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (90849895)
|
研究分担者 |
菊池 義智 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (30571864)
|
研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2025年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 共生細菌 / 共生特異性 / 遺伝子工学 / 応用微生物学 / 昆虫 / 共生 / 細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
細菌との共生は多くの動植物に広く見られる普遍的な現象である。一部の昆虫においては共生細菌を母から子に伝える垂直伝播機構が発達しているが、多くの動植物はこれら共生細菌を毎世代環境中から獲得する。その共生特異性は極めて高く、たった1種類の細菌種を体内の共生器官に保持することがほとんどである。本研究では、共生モデル系であるホソヘリカメムシとBurkholderiaの環境獲得型共生系を対象として、工学的アプローチを駆使した実験デザインにより「“共生能”のポジティブセレクション法」を確立する。この戦略を用いて共生特異性をもたらす遺伝子を一気に炙り出し、その共生特異性を支える遺伝的基盤の解明に迫る。
|
研究実績の概要 |
細菌との共生は多くの動植物に広く見られる普遍的な現象である。多くの動植物は、これら共生細菌を毎世代環境中から獲得する。その共生特異性は極めて高く、たった1種類の細菌種を体内の共生器官に保持することがほとんどである。細菌との相利共生系において、共生特異性のメカニズムが解明された例は今なお少ない。本研究では、共生モデル系であるホソヘリカメムシとBurkholderiaの環境獲得型共生系を対象に、新たに工学的なアプローチを駆使することで、その共生特異性を裏打ちするメカニズムの全容解明に迫る。共生細菌の遺伝子組み換えを行うことにより「“共生能”のポジティブセレクション法」を確立し、共生特異性をもたらす遺伝子を一気に炙り出す。その後、「感染はできるが増殖はできない」近縁種(“半”共生細菌)を宿主として、Burkholderia共生細菌のゲノム断片ライブラリを導入し、カメムシに感染させる。解剖したカメムシの盲嚢から細菌を単離して遺伝子を解析すれば、盲嚢での増殖に寄与した遺伝子、すなわち共生特異性因子を突き止めることができる。 本年度は、各種共生細菌用の遺伝子発現制御ツールの整備と試運転を行った。まず、各種共生細菌(Burkholderia属)で広く使えるベクターを開発するため、それぞれの菌の薬剤耐性を広く調査し、汎用できる抗生物質マーカーを決定した。次に、広域ベクターに蛍光タンパク質を定常発現させる遺伝子カセットを導入し、これを各種共生細菌に導入し、ベクターが安定に保持されるかを評価した。さらには、遺伝子転写強度が少しずつ異なる定常プロモータを複数作製し、各種共生細菌の中での強度を評価した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の目標であった各種共生細菌の発現制御ツールの整備と試運転を行った。おおむね順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、さらなるツールの整備(RBS、ターミネータ、各種蛍光タンパク質、誘導型プロモータ)を行う。また、作製したツールを用いて共生細菌のゲノムライブラリを作製する。さらには、カメムシの腸内セレクションのための予備実験を行う予定である。
|