研究課題/領域番号 |
23K18180
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
国嶋 崇隆 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (10214975)
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研究分担者 |
藤田 光 金沢大学, 薬学系, 助教 (40782850)
日置 和人 神戸学院大学, 薬学部, 准教授 (70268522)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 第4級アンモニウム / 有機カチオン / 対アニオン / アリール化 |
研究開始時の研究の概要 |
独立した4つの芳香族置換基(アリール基)が窒素原子に結合したテトラアリールアンモニウム(アンモニウム1)は,高い安定性とイオン性を有する有機カチオンとして多様な用途が期待されるが,天然にも存在せず,人工にも合成されておらず,長らく未知化合物であった。代表者らは最近,最も基本的な構造を持つテトラフェニルアンモニウムの合成と構造解析に世界で初めて成功した。そこで,この知見に基づいてアンモニウム1および関連する化合物の一般的且つスケールアップ可能な合成法の開発と,合成した化合物の物性解明を目的として研究を実施する。
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研究実績の概要 |
独立した4つの芳香族置換基(アリール基)が窒素原子に結合したテトラアリールアンモニウム(アンモニウム1)は、高い安定性とイオン性を有する有機カチオンとして多様な用途が期待されるが、天然にも存在せず,人工にも合成されておらず、長らく未知化合物であった。代表者らは最近、最も基本的な構造を持つテトラフェニルアンモニウムの合成と構造解析に世界で初めて成功した。しかしその収率は極めて低くく、工業化はおろか研究レベルでの化合物供給でさえ未だ困難である。そこで本課題は、代表者らが蓄積してきた知見に基づいて、アンモニウム1および関連する化合物の一般的且つスケールアップ可能な合成法の開発と,合成した化合物の物性解明を目的とする。 今年度は、提案した複数の合成法のうち代表者が金沢大学所属時から継続的に実施してきた2つの方法について主に検討した。すなわち、論文報告済みの分子間ラジカルカップリング法の改良とアザシラトリプチセン法について多面的に検討を行った。ラジカル法については、副生成物を与える反応を抑制するために、立体的、電気的に適切な置換基を種々導入した原料(アミン類)の検討、アリールラジカル種の発生法と構造的最適化に関する検討を行った。一方、アザシラトリプチセンについては、その合成法が未知であったが、代表者が金沢大学在職当時に指導していた学生(2022年度に修士課程を修了)の研究課題として既に合成に成功していたので、そのN-アリール化について種々の方法を用いて重点的に検討を行った。残念ながら今年度は期待する化合物が生成したことを示すデータは得られていないが、その理由や課題が明らかになってきている。従って、得られた知見に基づいて、今後の研究の方向性を見極めることが可能であり、別の方法も含めて次年度も引き続き検討予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新しい合成法の開発には未だ成功していないが、もとより非常に難易度の高い研究であるため、申請当初提案した複数の方法を1つずつ検証していくことも主たる目的の1つである。従って、うまく行く行かないに拘わらず研究は計画通り進んでいると言える。また失敗した結果をこうした報告書をとおして明らかにすることは、関連する研究の推進において重要な情報を提供することに相違なく、不成功である旨の答えを出すこと自体にも本研究課題の重要な意義があると考える。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の方法について更に検討を継続するとともに、既に実験を開始している別の方法についても検討を進める。まだ実施前あるいは実施中で結論が出る前の実験については、秘匿性の関係で具体的な戦略や内容を開示することは困難である。そのため、結論が出たものについて、良い結果であれば学会や論文で発表し、そうでないものは本報告書において開示していく。
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