研究課題/領域番号 |
23K18196
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
並木 繁行 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (90452193)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 単分子イメージング / 薬物スクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
創薬で効率的にヒット化合物を取得するためにセルベースアッセイが導入されているが、薬物によってシナプスで惹起される微小な分子間相互作用の変化や、シナプス機能の変化の高い感度・特異性での検出は難しい。この問題を解決するセルベースアッセイとして、観察対象分子の動きを蛍光顕微鏡で分子間相互作用を高感度かつ高精度に評価できる単分子蛍光追跡技術(Single Particle Tracking : SPT)が進展している。本研究では、独自の蛍光標識技術をシナプスでのSPTに導入することで、既存技術の問題点を克服し、中枢作用薬のハイスループットスクリーニング系を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究では、シナプスでの薬効評価へのSPTの導入には既存のSPT技術が抱える以下の技術的問題を全て解決することが必要である。1)蛍光輝点のシグナル/バックグラウンド比が小さく、輝点の位置推定精度が低い、2)蛍光退色により1分子輝点の寿命が短いため、長時間にわたって薬効を評価できない、3)狭小なシナプス領域での分子の拡散係数を高精度に求めるために十分な数の軌跡データを得ることができない。本研究では申請者らが開発した新規蛍光標識技術DeQODE(DeQuenching of Organic Dye Emission)法を単分子イメージングに適用できるようにDeQODEタグとQODEプローブの改良と評価を進めた。評価にあたっては、細胞への非特異的結合によるバックグラウンドシグナル、蛍光輝点の明るさ、輝点の寿命を重視してDeQODEタグとQODEプローブを選定した。選定したDeQODEタグとQODEプローブの気見合わせを用いた単分子イメージングのテストを実施し、単分子の追跡に十分なクオリティの画像データが得られることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度に計画していたDeQODEシステムを導入した一分子追跡計測系の構築が計画通りに進展し、次年度以降のハイスループット化に向けた技術基盤の構築を完了することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までに構築したDeQODEシステムを導入した単分子イメージングをマルチウェルプレートを用いたハイスループット化に対応できるようにする。多焦点単分子追跡顕微鏡システムに電動XYZステージを組み込んで多検体三次元1分子追跡プラットフォーム(3D-DeQODE-SPT)を構築する。以上の開発は、形態マーカーとしてEGFPを発現させた培養海馬神経細胞を用いて、膜タンパク質であるグルタミン酸受容体をテスト蛋白質として実証的に進める。
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