研究課題
挑戦的研究(萌芽)
がんの転移・浸潤・薬剤耐性などの悪性化には腫瘍微小環境が重要な役割を果たす。申請者は、グルタミンなどの非必須アミノ酸には、mTOR非依存的なゴルジ体を介した新規栄養センサーが存在する可能性を見出している。本研究は、これまで知られていないmTOR非依存的、且つがん細胞特異的な新規オルガネラ栄養センサーの探索を目的とし、がん特異的な新規栄養センサーを標的とした画期的な治療法の開発に繋げる挑戦的な研究としての意義を有する。本研究は、先天性アミノ酸代謝異常症などの小児難治性代謝疾患の新規メカニズム解明や治療法へと応用が広がる可能性も秘めている。
本研究は、がん細胞の生存や幹細胞性維持に重要な、がん細胞特異的な新規栄養センサーの探索と制御を目的とし以下の項目を検討した。オルガネラ形態を指標としたgRNAスクリーニング系の樹立と標的遺伝子の同定: 本研究項目では、(1)CRISPRを用いた gRNAライブラリー用い正常なゴルジ体構造とゴルジ体崩壊した細胞をイメージングサイトメトリーで分取する系を樹立した。(2)超解像顕微鏡下で扱える細胞採取装置で、ゴルジ体形態を指標に超解像顕微鏡下で細胞選択的にマニュアル採取することが出来た。今後、採取した細胞からgRNA情報からゴルジ体形態を指標にして栄養応答性を維持する標的因子を同定いたいと考えてる。
アミノ酸経路はがん細胞のmTOR複合体を介した悪性化に重要だが、ラパマイシン等のmTOR阻害剤では根治に至らない。理由として、mTOR非依存的な栄養感知機構の存在が考えられる。本研究は申請者の低栄養培養系を用い、gRNAスクリーニング系とイメージングサイトメトリー、超解像イメージング細胞分取法を融合し、ゴルジ体を介した新規栄養センサーを同定する。mTOR非依存的栄養感知機構を標的とした次世代がん分子標的薬開発を目指す。オルガネラ栄養センサー発見による独創的アプローチで、がん治療法開発と先天性代謝異常疾患の病態解明への応用が期待される挑戦的研究である。
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