研究課題/領域番号 |
23K18244
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
吉田 清嗣 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70345312)
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研究分担者 |
吉田 彩舟 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40772744)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 癌 / 幹細胞 / 一次繊毛 / 細胞外小胞分泌 |
研究開始時の研究の概要 |
がん幹細胞の性質を解析する過程で、がん幹細胞の新たな特徴として、異常な一次繊毛の形成並びに繊毛先端が切断され放出される細胞外小胞の分泌亢進を見出した。そこで、がん幹細胞の新たな特徴である「異常な一次繊毛及び細胞外小胞分泌」が、がん幹細胞自身ならびにがん微小環境に影響し、がん細胞の生存に関して有利に機能している可能性を探求し、一次繊毛を介した新たながん幹細胞を標的とする治療の基礎となる知見の創出を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、がん細胞には存在しないと考えられていた細胞小器官「一次繊毛」によるがん幹細胞 (Cancer Stem Cells)の制御を検証するものである。特に、幹細胞性の高いがん細胞株に、形態の異常な一次繊毛が高頻度に観察されるという予備データに基づき、一次繊毛を切り口とした、がん幹細胞の新たな特性の理解を目指す。 本年度は、解析のツールとなる一次繊毛の欠損がん細胞株の樹立とトランスクリプトーム解析の実施を目指した。予備検討から、顕著な一次繊毛が確認され、かつ幹細胞性の高いがん幹細胞としてヒト膵がん細胞株(Panc1)ならびにヒト骨肉腫細胞株(MG63)を選択した。これら2種類のがん細胞株ならびに正常細胞株としてhTERT-RPE1細胞の3種類に対し、CRISPR-Cas9による一次繊毛欠損細胞 (① IFT88-KO, ② KIF3B-KO)の樹立を試みた。免疫細胞染色の結果、一次繊毛の欠損した各種細胞株の樹立に成功した。 現在、各種野生型細胞を含めた9細胞種に関し、一次繊毛の有無による表現系の差異を明らかにするため、RNA-seq解析を実施中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、CRISPR-Cas9による一次繊毛の欠損細胞株の樹立に成功し、RNA-seq解析まで実施済みであるため。
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今後の研究の推進方策 |
初年度で、解析の材料となるノックアウト細胞は作出することができた。次年度は、解析中のトランスクリプトームデータを整理し、一次繊毛の有無によるがん細胞株の形質変化を解明する。また、一次繊毛から放出されるCiliary Vesiclesの濃縮と機能解析を展開する。
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