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統合的プロテオーム解析による癌液性免疫応答の捕捉とその治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 23K18249
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分50:腫瘍学およびその関連分野
研究機関愛知県がんセンター(研究所)

研究代表者

田口 歩  愛知県がんセンター(研究所), 分子診断TR分野, 分野長 (50817567)

研究分担者 阿部 雄一  愛知県がんセンター(研究所), 分子診断TR分野, 研修生 (30731632)
研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード難治癌 / PDXモデル / 腫瘍浸潤B細胞 / 自己抗体 / 癌抗原 / プロテオミクス / 難治がん / がん抗原
研究開始時の研究の概要

腫瘍浸潤B細胞(TIL-B)による液性免疫反応は抗腫瘍的に働くと考えられているが、TIL-B産生自己抗体が認識する抗原についての網羅的な解析はほとんどなされていない。本研究では、我々が開発した高感度自己抗体結合抗原解析法を用いて、難治癌初代PDXマウスの血液から分離されたTIL-B産生自己抗体に結合する癌抗原の網羅的プロテオーム解析を行う。さらに、同一患者由来の血漿自己抗体に結合する癌抗原プロファイルとPDX腫瘍の多層オミクスデータを統合する。これらの解析により、真に免疫原性の高い癌抗原を同定し、革新的な難治癌免疫療法の開発を目指す。

研究実績の概要

腫瘍浸潤B細胞(TIL-B)が腫瘍内で様々な機能を持つことが明らかになりつつある。TIL-Bによる液性免疫反応は抗腫瘍的に働くと考えられているが、TIL-B産生自己抗体が認識する抗原についての網羅的な解析はほとんどなされていない。本研究では、我々が開発した高感度自己抗体結合抗原プロテオーム解析を用いて、難治癌初代PDXマウスの血液から分離されたTIL-B産生自己抗体に結合する癌抗原の網羅的プロテオーム解析を行う。さらに、同一症例由来の血漿自己抗体に結合する癌抗原プロファイルとPDX腫瘍の多層オミクスデータを統合する。これらの解析により、真に免疫原性の高い癌抗原を同定し、革新的な難治癌免疫療法の開発を目指す。
本年度は、難治癌PDXモデルの作成と初代PDXマウスからの血漿収集を中心に行った。現在までに、膵癌21例、大腸癌46例、肺癌9例、食道癌21例、胃癌10例、サルコーマ4例、肝癌4例、胆道癌2例、計117例のPDXマウスモデルで血漿検体の収集と血漿ヒトIgGの濃度測定が完了している。並行して、予備的解析として、PDXモデルの血中から免疫グロブリン分画の単離と免疫グロブリン結合抗原のプロテオーム解析を行った。Rag2/Jak3二重欠損マウスの血漿にヒトIgGを添加すると、マススペクトロメトリーでのIgG定量値は添加量によく比例したことから、マウス血漿中の微量ヒトIgGとその結合抗原が定量的に測定できることが示唆された。免疫グロブリン結合抗原のプロテオーム解析では計239個のタンパク質が同定された。いくつか興味深い抗原が同定された一方で、約40%がマウスタンパク質であったことから、さらにマウス血漿由来タンパク質の混入を減らす必要があると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

難治癌PDXモデルの作成と初代PDXマウスからの血漿収集を中心に行った。現在までに、膵癌21例、大腸癌46例、肺癌9例、食道癌21例、胃癌10例、サルコーマ4例、肝癌4例、胆道癌2例、計117例のPDXマウスモデルで血漿検体の収集と血漿ヒトIgGの濃度測定が完了している。並行して、予備的解析として、PDXモデルの血中から免疫グロブリン分画の単離と免疫グロブリン結合抗原のプロテオーム解析を行った。Rag2/Jak3二重欠損マウスの血漿にヒトIgGを添加すると、マススペクトロメトリーでのIgG定量値は添加量によく比例したことから、マウス血漿中の微量ヒトIgGとその結合抗原が定量的に測定できることが示唆された。免疫グロブリン結合抗原のプロテオーム解析では計239個のタンパク質が同定された。いくつか興味深い抗原が同定された一方で、約40%がマウスタンパク質であったことから、さらにマウス血漿由来タンパク質の混入を減らす必要があると考えられた。

今後の研究の推進方策

現在各PDX症例の全エクソーム解析、RNAシーケンス解析を進めており、既存のアミノ酸配列データベースに基づく解析だけでなく、ゲノム、トランスクリプトーム情報から構築した症例固有の予測アミノ酸配列データベースに基づく解析と、データベース非依存性のMS/MSスペクトルに基づくde novoシーケンシング解析というプロテオゲノミクス的アプローチを導入して、異常スプライシングや遺伝子変異などに由来する未知のアミノ酸配列を持つ難治癌特異的抗原の同定を目指す。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)

  • [学会発表] A proteogenomic approach for identification of novel IgG-bound antigens in pancreatic cancer2023

    • 著者名/発表者名
      Yuichi Abe, Hisanori Isomura, Zhou Shuang, Taisuke Kajino, Rui Yamaguchi, Waki Hosoda, Kazuo Hara, Ayumu Taguchi
    • 学会等名
      第82回日本癌学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Systems-approach based molecular profiling of mouse models for translational cancer research2023

    • 著者名/発表者名
      Ayumu Taguchi, Shuang Zhou, Yuichi Abe, Taisuke Kajino, Hisanori Isomura
    • 学会等名
      第82回日本癌学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] In-depth proteomics to decipher the complexity of the blood cancer proteome2023

    • 著者名/発表者名
      Ayumu Taguchi
    • 学会等名
      第82回日本癌学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] In-depth Plasma Proteomics for Cancer Biomarker Discovery2023

    • 著者名/発表者名
      Ayumu Taguchi
    • 学会等名
      HUPO 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 免疫グロブリン結合抗原の高深度プロテオーム解析による新規がんバイオマーカー探索2023

    • 著者名/発表者名
      阿部雄一, 磯村久徳, 田口 歩
    • 学会等名
      日本プロテオーム学会2023年大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-07-04   更新日: 2024-12-25  

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