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αシヌクレインアミロイド線維がもたらす生理活性と病態の二面性

研究課題

研究課題/領域番号 23K18255
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分51:ブレインサイエンスおよびその関連分野
研究機関大阪大学

研究代表者

望月 秀樹  大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90230044)

研究分担者 角田 渓太  大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (20815500)
AGUIRRE・MARTINEZ CESAR  大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任研究員(常勤) (20865597)
池中 建介  大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70774058)
研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
キーワードαシヌクレイン / 蛋白質凝集 / 機能的アミロイド
研究開始時の研究の概要

我々は、特定の構造多型を持つアミロイド線維が作られる分子機序を明らかにする挑戦を続けてきた。本研究をきっかけとして、そのようなアミロイド線維ができる細胞内の環境変化を網羅的に観察していく事を根源的な目標としている。アミロイド線維としての生理活性や役割はほとんどこれまで解析されていない、全く未知の領域である。我々は、αSynがパーキンソン病に見られるロッド線維を作るのに必要不可欠な分子内結合を同定しており、その分子機序に根差した二つの変異体を主な武器に、特にリソソーム損傷時のαSyn応答に着目して研究を進める。これまでに類をみない独自の研究で、挑戦的萌芽研究としての意義があると確信する。

研究実績の概要

我々はHANABIを用いて、パーキンソン病(PD)に関連するαシヌクレイン(αSyn)フィブリル構造の多型が生まれる要因について調べた。その中で、αSynがCaや脂質などの周辺環境を感知して、C末端とNAC領域が極性相互作用して部分的フォールディングすることが、ロッド型という特異的なアミロイド線維形成を促進する鍵であることを証明した。このC末NAC結合のダイナミクスを細胞内でモニターし、どのような環境変化を感知して、αSynアミロイド線維形成が起こるのか探索した。残念ながら、αSynのC末NAC結合のモニタリングを分子内FRET変異体を用いて解析したが、分子内結合によるFRET変化は観察することができなかった。その中で、実は我々が観察していた、C末とNAC結合というものが、NMR解析上の誤りであったことが判明したので、再度NMR解析を行っている。部分フォールディングは、C末の分子内で起こっていることを証明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初のC末NAC結合ではなかったものの、C末の分子内結合はしっかりと明らかにできた。これにより細胞内のIn vivoでの構造変換にも進んでいく。

今後の研究の推進方策

蛋白質溶液においてαSynがカルシウムなどの周辺環境変化を感知して部分フォールディング状態を作る精緻な機構を見出した。この反応が引き金となってβシート構造の獲得、線維化という一連の自己集簇過程に入る。本研究では、今後も、このαSynの感知機能と自己集簇能がもつ生理的意義について解析を進める。特に、アミロイド線維の生理的機能の一例として、「リソソーム膜破綻に対するαSyn構造変化と自己集簇による防御機構」について明らかにする。本研究では、リソソーム膜破綻に伴うどのような環境変化をαSynが感知しているのか、実際に我々がin vitroで発見した構造変化が細胞内でも生理的に重要なのか、そして作られるアミロイド線維がロッド線維(PD関連線維)なのかを検証する。さらに、バリアとしての機能を終えたαSyn線維に対する細胞応答について、特にαSyn線維自体が受ける修飾変化の視点から探索していく。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Lysophagy protects against propagation of α-synuclein aggregation through ruptured lysosomal vesicles2023

    • 著者名/発表者名
      Kakuda Keita、Ikenaka Kensuke、Kuma Akiko、Doi Junko、Aguirre Cesar、Wang Nan、Ajiki Takahiro、Choong Chi-Jing、Kimura Yasuyoshi、Badawy Shaymaa Mohamed Mohamed、Shima Takayuki、Nakamura Shuhei、Baba Kousuke、Nagano Seiichi、Nagai Yoshitaka、Yoshimori Tamotsu、Mochizuki Hideki
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences

      巻: 121 号: 1

    • DOI

      10.1073/pnas.2312306120

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Extracellular high molecular weight α-synuclein oligomers induce cell death by disrupting the plasma membrane2023

    • 著者名/発表者名
      Ito Naohito、Tsuji Mayumi、Adachi Naoki、Nakamura Shiro、Sarkar Avijite Kumer、Ikenaka Kensuke、Aguirre Cesar、Kimura Atsushi Michael、Kiuchi Yuji、Mochizuki Hideki、Teplow David B.、Ono Kenjiro
    • 雑誌名

      npj Parkinson's Disease

      巻: 9 号: 1 ページ: 139-139

    • DOI

      10.1038/s41531-023-00583-0

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2023-07-04   更新日: 2024-12-25  

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