研究課題
挑戦的研究(萌芽)
勇気は不安や恐怖などを克服した上で危機を積極的に解決する重要な生存戦略だが、このような意思決定を駆動する神経機構は未開拓の領域である。脳内ドーパミンは動機付けや行動強化に関連すると考えられているが、その一方で過度の合目的的な行動強化がリスクの高い勇気ある行動を抑制している可能性が高い。我々は「勇気の背景にはドーパミン放出の低下がある」という仮説を検証するため、不安や恐怖を克服する「勇気」をマウスの「闘争状態」への移行へと還元し、この問題に取り組む。具体的には、尾懸垂や攻撃者の門前で示す勇敢な行動を駆動するドーパミン代謝の役割を独自のドーパミン測定技術および光操作法により明らかにする。