研究課題
挑戦的研究(萌芽)
思春期における社会的孤立は、その後生涯にわたり気分障害、不安症、感覚過敏、社会性の低下など広範な脳機能に変調をもたらす。しかし、この広範な脳機能の変調の背景にある神経回路基盤や、思春期が臨界期となるメカニズムは不明のままである。本研究では感覚情報を統合し、広く大脳皮質などと情報の受け渡しをしている視床に着目し、VPM核の神経回路の幼若型改編現象や既に報告があるpPVTニューロンの活動性の低下を客観的指標として、思春期の隔離飼育で、視床回路変化とそれに伴う行動変容に関わる機能分子を同定する。さらに、その機能分子の発現を操作することで(臨界期を人為的に再開)、脳の機能回復をはかる。