研究課題/領域番号 |
23K18271
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
大松 勉 東京農工大学, 農学部, 准教授 (60455392)
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研究分担者 |
藤原 崇之 国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 助教 (10595151)
吉田 敏則 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80726456)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 炎症性腸疾患 / マウスモデル / DSS / 微細藻類 / 治療法 / 経口投与 / サイトカイン / 動物モデル |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性腸疾患は難治性疾患の一つで世界中で患者が増加傾向にある。しかし、現時点で有効な治療法は確立されていない。本研究では、腸管内で直接腸管の再生を促すという新たな治療法の確立を目指し、その基盤として細胞の再生を促進する因子をそれぞれ発現・蓄積するイデユコゴメ株を作製し、発現・蓄積した因子の活性を評価した上で、それを疾患モデルマウスに経口投与することで体内で直接腸管上皮の再生が誘導されたかを評価する。
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研究実績の概要 |
本年度は、本研究の実施に必要な慢性潰瘍性大腸炎マウスモデルの確立を試みた。本試験ではモデル確立に向けてデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)の飲水投与の条件検討を行った。DSSの投与濃度を1%、2%、3%、4%に設定し、各濃度について5日間投与後に5日間休薬し、臨床症状を基にしたDisease activity score(DAI)を比較した結果、3%及び4%でDAIの一時的な増加が認められた。この結果を基に、DAIに軽度に影響を及ぼす3%DSS投与を慢性化モデルの投与量として設定し、その有用性について1.5%と比較した。1.5%および3%DSSの5日間投薬5日間休薬を1サイクルとし、それを2回繰り返した後、腸管を採取し病理学的に評価した結果、炎症スコア及び再生陰窩スコアに関して用量依存的な変化が認められた。一方、水腫スコア及び粘膜剥離スコアについては明らかな差はなかった。これらの結果から、DSSを用いた慢性潰瘍性大腸炎マウスモデルの作製に必要な基盤情報が収集蓄積された。 次に、微細藻類を用いた治療法の確立に向けて、微細藻類細胞内に発現・蓄積させるシグナル因子としてWnt, Grem, Rspondinを選定し、それぞれのシグナル因子を発現・蓄積する株の作製を試みた。今年度は各因子の発現プラスミドを作製し、藻類への遺伝子導入を試みた。3つの因子のうち、WntについてはPCRにより遺伝子が導入された株が樹立されたことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
慢性潰瘍性大腸炎マウスモデルの確立の基盤が構築されると共に、治療に利用するシグナル因子を選定し、そのうちの一つの発現株の作出に成功したことから、計画通り順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
選定した残りの2種類のシグナル因子について発現株を作製し、各シグナル因子の発現をWestern blottingで確認した上で、作製した慢性潰瘍性大腸炎マウスモデルに対して経口投与を行い、その治療効果について検証する予定である。
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