研究課題/領域番号 |
23K18276
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
須藤 信行 九州大学, 医学研究院, 教授 (60304812)
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研究分担者 |
三上 克央 東海大学, 医学部, 教授 (90548504)
末松 孝文 九州大学, 大学病院, 医員 (90973040)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 腸内細菌 / ヒスタミン / 生理活性アミン / ストレス関連疾患 / 機能性身体症候群 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、うつ病や自閉症の患者の一部に消化管の透過性亢進が関与していることが示されており、病態との関連が示唆されている。これらは“Leaky gut hypothesis”あるいは“Epithelial barrier hypothesis”と呼ばれている。同様な病態機序はストレス関連疾患や機能性身体症候群においても示唆されているが、科学的に十分検討されていない。本研究では、ヒスタミン産生能を持つ腸内細菌を無菌マウスに移植した単一細菌マウスを用いて、ストレス関連病態の一部を再現し、腸内細菌由来のヒスタミンがストレス関連疾患の病態に及ぼす影響について検討する。
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研究実績の概要 |
近年、うつ病や自閉症の患者の一部に消化管の透過性亢進が関与していることが示され、病態との関連が示唆されている。同様な病態機序はストレス関連疾患や機能性身体症候群でも示唆されているが、科学的に十分検討されていない。本研究は、ヒスタミン産生能を持つ腸内細菌を無菌マウスに移植した単一細菌マウスを用い、ストレス関連病態の一部を再現し、腸内細菌由来のヒスタミンがストレス関連疾患の病態に及ぼす影響を検討する。 ヒト常在菌の1つでありHDCを有するMorganella (M.) morganii(NBRC 3848株)を無菌マウスに移植した単一細菌マウス(M.morganii単一細菌マウス:以下MMマウス)を作製し、交配させ、出生した仔マウスを離乳後、3群に分け、7週時点で0.1%ヒスチジン溶液(低ヒスチジン群)、1%ヒスチジン溶液(高ヒスチジン群)および生理食塩水(コントロール群)を摂取させる。3群のマウスが9週齢、12週齢に達した時点で後述の行動解析を行う。解析終了後、安楽死させ、脳、血液、糞便を採取、生理活性アミンを測定する。マウスの行動特性は、ガラス玉覆い隠し行動(marble burying behavior: MBB)とオープンフィールド法(open field method: OFT)をアイソレーター内行動解析法(Neurogastroenterol Motil. 2013;25:521-8)にて評価する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、ヒト常在菌の1つでありHDCを有するMorganella (M.) morganii(NBRC 3848株)を無菌マウスに移植した単一細菌マウス(M.morganii単一細菌マウス:以下MMマウス)を用いて、ヒスチジン負荷による影響を検討した。出生した仔マウスを離乳後、1%ヒスチジン溶液(ヒスチジン群)を摂取させたところ、糞便中と血中のヒスタミン濃度が上昇した。またヒスチジン負荷によりガラス玉覆い隠し行動(marble burying behavior: MBB)における不安関連行動が増強していた。このように実験計画は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果を踏まえ、予定通りの研究を進めていく。次年度は、行動変容をもたらした脳内変化を解析する。脳、血液、糞便を採取し、ヒスタミンなどの生理活性アミンを測定する。具体的には、脳を脳幹、視床、前頭皮質、海馬の4部位に分割し、それぞれの部位における生理活性アミン濃度測定とメタボローム解析を行う。メタボローム解析は、水溶性低分子代謝物と脂肪酸濃度はガスクロマトグラフィー・質量分析計にて測定し、脂質、極性水溶性代謝物の解析は液体クロマトグラフィー・質量分析計により行う。生理活性アミン類(フェネチルアミン、プトレシン、カダベリン、トリプタミン、チラミン)は液体クロマトグラフィー・質量分析計にて測定する。
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