研究課題/領域番号 |
23K18282
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鈴木 英雄 筑波大学, プレシジョン・メディスン開発研究センター, 客員教授 (00400672)
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研究分担者 |
石井 亜紀子 筑波大学, 医学医療系, 客員研究員 (10400681)
岡田 浩介 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80757526)
正田 純一 筑波大学, 医学医療系, 客員教授 (90241827)
三浦 征 福岡大学, スポーツ科学部, 助教 (20982317)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 脂肪性肝炎 / 筋-肝連関 / 細胞外小胞 / Nrf2 / 非アルコール性脂肪性肝炎 / 酸化ストレス / 臓器連関 |
研究開始時の研究の概要 |
非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH) は致死的疾患である肝硬変,肝癌へと進展する.肝臓と骨格筋にはクロストークが存在し(筋-肝連関),骨格筋の異常はNASH進展のリスクを増大させる.しかし,その詳細なメカニズムは未解明である.代表者らは,酸化ストレス防御の司令塔Nrf2を筋細胞でのみ発現するNrf2-筋レスキューマウスでは,筋-肝連関を介して肝病変が抑制されることを見出した.一方,細胞外小胞は細胞間の情報伝達を担う因子として知られている.本研究では,筋Nrf2がNASH を抑制する筋-肝連関メカニズムについて,Nrf2を介した細胞外小胞の内包基質の変化に着目して検証する.
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研究実績の概要 |
加齢性筋萎縮(サルコペニア)や骨格筋のインスリン抵抗性をはじめとする代謝機能の異常は,脂肪性肝炎 (NASH) のリスク因子である.代表者らは,酸化ストレス防御の司令塔であるNrf2を筋細胞特異的に遺伝子導入することで脂肪性肝炎が抑制される可能性を動物実験で見出してきた.本研究では,骨格筋Nrf2によるNASHの抑制メカニズムについて,細胞外小胞 (EVs) を介した臓器連関に着目して解析する.この目的の達成のため,本年度は以下の解析を行った. 1. 筋細胞由来EVsは肝細胞またはマクロファージへ取り込み取り込まれるか?:培養筋管細胞 (C2C12) の培養上清からEVsを精製し,蛍光染色した後に培養肝細胞 (Hepa1-6) およびマクロファージ (RAW264.7) に添加した.添加6時間後に蛍光顕微鏡で各細胞を観察したところ,両細胞ともにEVsの取り込みが確認された. 2. Nrf2を賦活化させた筋細胞由来EVsの抗炎症作用の検証:Nrf2賦活化剤 (Sulforaphane) で処理したC2C12の培養上清からEVsを精製し,LPSにより炎症を誘導したRAW264.7細胞へと添加した.RAW264.7細胞における炎症性サイトカイン・ケモカインの遺伝子発現レベルをqPCR解析した.EVsの添加により,炎症性サイトカイン・ケモカインの発現レベルが低下することが確認され,Nrf2を賦活化させたEVsは抗炎症作用を有することが明らかになった.以上の結果より,骨格筋のNrf2はEVsを介して遠隔の臓器(細胞)の炎症や酸化ストレスを抑制する可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Nrf2を賦活化した筋細胞由来のEVsがマクロファージの炎症を抑制することを明らかにした.この結果は,骨格筋のNrf2がEVsを介した遠隔の臓器(細胞)へとその下流の抗酸化因子を伝達し,炎症・酸化ストレスを減弱している可能性を示唆しており,本研究の仮説を支持する結果を得られた.次年度は,EVs内包基質の解析を行い,骨格筋Nrf2が脂肪性肝炎を抑制するメカニズムのさらなる詳細に迫る計画である.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの解析から得られた知見をもとに,細胞実験を行い,Nrf2制御下で肝細胞やマクロファージの炎症を抑制する筋由来EVs内包基質の同定を目指す.また,食餌介入によりNASHを誘導した全身Nrf2欠損マウスと筋細胞特異的Nrf2発現マウスの血中から抽出したEVsに関しても解析を行い,In vivoレベルでも解析を行う.これらの解析を通して,骨格筋Nrf2が脂肪性肝炎を抑制するメカニズムについて,EVsを介した抗酸化・抗炎症分子の伝達という観点から検証していく計画である.
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