研究課題/領域番号 |
23K18290
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
西中村 隆一 熊本大学, 発生医学研究所, 教授 (70291309)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 血液幹細胞 / 腎臓発生 |
研究開始時の研究の概要 |
発生学的にみると血液には胎児型と成体型が存在し、胎児型は卵黄嚢から、成体型は胎児期腎臓近くのAGM領域から発生する。後者はさらに胎児肝臓そして新生児骨髄へと移動して成体型の血液幹細胞となる。しかし血液幹細胞がなぜ腎臓付近で誕生するかは依然として不明である。そこで本研究は、申請者が得意とする腎臓発生の視点から血液幹細胞の誕生機構を解明することを目的とする。申請者が腎臓発生研究の過程で見出した遺伝子に着目して血液幹細胞の系譜解析を行い、その起源を同定する。そして血液と腎臓の起源細胞の位置と遺伝子発現を比較することによって、その類似性と違い、相互作用を解明する。
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研究実績の概要 |
血液幹細胞は成体の骨髄に存在し、生涯を通じて全ての種類の血液細胞を産生する。しかし発生学的にみると血液には胎児型と成体型が存在し、胎児型は卵黄嚢から、成体型は胎児期腎臓(中腎:mesonephros)近くのAGM (aorta-gonad-mesonephros) 領域から発生するとされる。後者はさらに胎児肝臓そして新生児骨髄へと移動して成体型の血液幹細胞となり、多種類の血球を産生する。一方腎臓も、胎児型の中腎と成体型の腎臓になる後腎が時期と場所をずらして発生する。腎臓の起源や発生機構は申請者らの貢献によってかなり解明されてきたが、血液幹細胞の正確な起源やなぜ腎臓付近で誕生するかは依然として不明である。そこで本研究は、申請者が得意とする腎臓発生の視点から血液幹細胞の誕生機構を解明することを目的とする。具体的には、1) 申請者が腎臓発生研究の過程で見出した遺伝子に着目して血液幹細胞の系譜解析を行い、その起源を同定する。2) そして血液と腎臓の起源細胞の位置と遺伝子発現を比較することによって、その類似性と違い、相互作用を解明し、何故腎臓の近くに血液が誕生するのかという謎に迫る。今年度は、上記遺伝子のCreERマウスとtdTomatoマウスを交配してタモキシフェンを投与し、AGM領域、肝臓、骨髄で血液幹細胞の系譜解析を行った。また各発生段階でscRNA-seqを行って、血液幹細胞と周囲細胞(腎臓を含む)での遺伝子発現の推移を1細胞レベルで解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記遺伝子のCreERマウスを用いて、AGM領域、肝臓、骨髄で血液幹細胞の系譜解析を行った。このマウスの交配率が低く、予想以上に時間を要した。とはいえ、FACS解析、組織学的解析に加えて、培養も行っており、血液幹細胞の起源が見えつつある。
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今後の研究の推進方策 |
胎生9.5日における成体型血液幹細胞の起源と腎臓の起源との位置関係を組織学的に解析し、遺伝子発現を調べる。それを腎臓の起源細胞の遺伝子発現情報と比較することで、血液と腎臓の起源細胞の類似性と違いを解析し、何故腎臓の近くに血液が誕生するのかという謎に迫る。
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