研究課題/領域番号 |
23K18309
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
塚崎 雅之 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任助教 (20829527)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 骨芽細胞 / 骨代謝 / 骨免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
骨疾患に伴う運動障害は健康寿命の主要な阻害因子であり、「筋骨格系及び結合組織の疾患」が全医療費の約10%(3兆円)を占めていることからも、骨代謝メカニズムの詳細な理解と、新たな骨健康増進法の確立が重要な課題となっている。 本課題では、骨を作りながら骨吸収を強力に抑制する新しいタイプの骨形成細胞の同定と機能解明を通して、画期的な骨再生・骨量増加戦略の創出へ向けた基盤構築を目指す。
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研究実績の概要 |
骨形成を担う骨芽細胞は、直接的に骨を造るのみならず、破骨細胞分化のマスター誘導因子RANKLと、そのデコイ受容体であるOPGを産生することで、破骨細胞の分化と機能を制御する。しかしながら、骨芽細胞のheterogeneityや機能的多様性に関 しては殆ど不明である。 試験管内の実験系において、骨芽細胞はRANKLとOPGの両方を産生することで破骨細胞の分化を調節することから、これまでRANKLを発現する骨芽細胞とOPGを発現する骨芽細胞は同一の細胞集団であると考えられてきた。申請者は、骨組織および骨髄のシングルセルRNAseq解析データを再解析し、unbiasedなクラスタリング解析を行うことで、OPGを発現する骨芽細胞とRANKLを発現する骨芽細胞はそれぞれ別々のクラスターに分類されること、OPG陽性骨芽細胞は細胞外基質EMFを高発現していることを明らかにした。 本年度は、OPGを産生する骨芽細胞のマーカー遺伝子下流でCreを発現するEMF-Cre(論文未発表)マウスと様々なfloxマウスを交配し、OPG産生骨芽細胞の生理機能の探索を進めた。さらにEMF-Cre/TdTomato/Col1a1-GFPマウスを作成し、EMF-Creによってラベルされる骨芽細胞を回収しRNAseq解析を行った。OPG骨芽細胞で高発現する機能未知遺伝子を同定し、現在ノックアウトマウスの作成を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新規骨芽細胞サブセットを標識するレポーターマウスを構築し、トランスクリプトームデータを取得した。得られたデータから機能未知遺伝子を同定し、ノックアウトマウスの作成にも着手しており、概ね順調に進捗していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
新規骨芽細胞サブセットで高発現する未知遺伝子Xのノックアウトマウスの表現型を解析する。未知遺伝子XはDNA結合領域を有するため、未知遺伝子Xの遺伝子座にFLAGをノックインしたマウスを作成し、ChIP-seqを行うことで未知遺伝子Xの分子機能を解明する。
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