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スプライシングと発がん機構

研究課題

研究課題/領域番号 23K18323
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
研究機関国立研究開発法人国立がん研究センター

研究代表者

小林 祥久  国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (30734628)

研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
キーワード発がん / MET / 肺癌 / スプライシング / 発癌
研究開始時の研究の概要

肺がんは最も死亡者の多いがん種である。分子標的治療薬が一度効いても1-2年で必ず耐性を獲得して効かなくなる。これまで肺がんの薬剤耐性機序解明とそれを克服する併用療法の研究をしてきたが、耐性が起こった後の事後対応としての併用療法の効果は限定的であり、画期的な治療法の開発には肺がんがどのように起こるのかという根本的な発がん機構の解明が必要であると考えた。本研究では、最多の発がん遺伝子ファミリーRASの新規発がん機構を解明した実験系をMET遺伝子に応用することで、従来考えられてきた発がん機構と矛盾するデータを得たため、これを追求することで発がんに関する未知の機序の解明と新規治療法開拓を目指す。

研究実績の概要

肺がんは最も死亡者の多いがん種である。分子標的治療薬が一度効いても1-2年で必ず耐性を獲得して効かなくなってしまう。これまで肺がんの薬剤耐性機序解明とそれを克服する併用療法の研究をしてきたが、耐性が起こった後の事後対応としての併用療法の効果は限定的であり、画期的な治療法の開発には肺がんがどのように起こるのかという根本的な発がん機構の解明が必要であると考えた。
本研究では、最多の発がん遺伝子ファミリーRASのスプライシングに関する新規発がん機構を解明した実験系 (Nature 2022) をMET遺伝子に応用することで、MET変異がんへの新規治療開発を目指す。
MET遺伝子のエクソン14がスキップする変異は肺腺がんの5%にみられ、METチロシンキナーゼ阻害剤のカプマチニブとテポチニブが日米で標準治療薬として保険承認済みである。METのエクソン14にはユビキチンによる蛋白分解に必要なCBL結合部位があるため、このスキップによりMET蛋白が分解されず過剰蓄積してがん化すると従来考えられている。しかし、CRISPR-Cas9ゲノム編集技術によってMET遺伝子変異モデルを作成し、CRISPR METモデル細胞のシングルクローンで薬剤感受性を評価したところ、予想外にMET変異だけでは発がん性に不十分であることがわかった。そこで、発がんに必須の未知の要素をゲノムワイドに探索するために、約2万個の遺伝子を網羅的にノックアウトするゲノムワイドCRISPRスクリーニングの実験系を新たに構築中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り進んでいるため。

今後の研究の推進方策

ゲノムワイドCRISPRスクリーニングの実験系の条件設定を繰り返し、実験系の構築を継続する。CRISPR-Cas9ゲノム編集によって作成したMETエクソン14スキッピングモデル細胞を用いて、スクリーニングを実施する。その後、候補遺伝子の機能解析を実施する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 6件)

  • [雑誌論文] Molecular pathology quality control in Southeast Asia: Results of a multiregional quality assurance study from MASTER KEY Asia2023

    • 著者名/発表者名
      Okuma Hitomi Sumiyoshi、Yoshida Hiroshi、Kobayashi Yoshihisa、Arakaki Motoko、Mizoguchi Chiharu、Inagaki Lina、Voon Pei Jye、Malik Bin Ismail Adam、Fen Soo Hoo Hwoei、Yusak Suhana、Severino B. Imasa Marcelo、Nguyen Huy Thinh、Thai Anh Tu、Kohsaka Shinji、Mano Hiroyuki、Yonemori Kan、Nakamura Kenichi、Yatabe Yasushi
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: in press 号: 6 ページ: 2664-2673

    • DOI

      10.1111/cas.15790

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] ゲノム編集細胞によるRAS遺伝子のスプライシングの弱点発見とがん治療への応用2024

    • 著者名/発表者名
      小林祥久
    • 学会等名
      4th Fukuoka RNA Commons
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 1症例・1細胞から展開するドライバー変異肺がん研究2023

    • 著者名/発表者名
      小林祥久
    • 学会等名
      第49回日本肺癌学会北海道支部学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] CRISPRゲノム編集細胞モデルの薬剤耐性で迫る発がん機構2023

    • 著者名/発表者名
      小林祥久
    • 学会等名
      金沢大学がん進展制御研究所セミナー
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Various type of mutations in driver oncogene positive cancer2023

    • 著者名/発表者名
      Yoshihisa Kobayashi
    • 学会等名
      第82回日本癌学会学術総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Splicing Vulnerability in RAS Q61 Mutant Cancers2023

    • 著者名/発表者名
      Yoshihisa Kobayashi
    • 学会等名
      International Academy for Advanced Oncology 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] CRISPRモデルによる薬剤耐性研究からRASの弱点発見へ2023

    • 著者名/発表者名
      小林祥久
    • 学会等名
      お茶の水がん学アカデミア第179回
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2023-07-04   更新日: 2024-12-25  

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