研究課題/領域番号 |
23K18331
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
今井 祐記 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (10423873)
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研究分担者 |
竹田 浩之 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 准教授 (40609393)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | GPCR / 抗体 / 無細胞タンパク合成 / がん |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らが独自に見出したGPRC5Aは、予後不良前立腺がん(Int J Cancer 2020)のみならず、生命予後不良で治療標的分子に乏しい複数の難治性がんの治療標的になる可能性がある。抗GPCR抗体の作製はそもそも困難であるが、GPCRの細胞外領域に結合し阻害活性を持つ抗体の開発は極めて難度が高く挑戦的である。そこで、本研究課題ではマウスを用いた抗体作製に取り組み、抗体薬理効果の検証を、細胞レベルおよびXenograft modelを用いた個体レベルの両方で実施する。さらに取得抗体の解析および高機能化を行う。
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研究実績の概要 |
マウスを用いたGPRC5A抗体作製:本研究の目的達成のためには、GPRC5Aの細胞外領域に結合し、GPRC5Aの働きを阻害するモノクローナル抗体を作製する必要がある。GPCRであるGPRC5Aは細胞発現系での大量生産が困難なため、愛媛大学の独自技術であるコムギ無細胞膜タンパク質合成技術を用いて、アジュバントを事前に添加したリポソーム上に立体構造を維持したGPRC5Aを合成する。さらに細胞外領域に結合する抗体生産を誘導するための人工デザイン抗原を作製する。合成したGPRC5Aプロテオリポソームを抗原としてマウスに接種する。GPRC5Aの阻害抗体を取得するのは通常のマウス免疫では困難であることが予想されるため、MRL/lprマウスまたはBXSBなどの自己免疫疾患モデルマウスに対して抗原接種を行う。FACS陽性抗体を産生した個体の脾臓を用いてハイブリドーマを作製し、モノクローナル抗体を取得する。モノクローナル抗体のスクリーニングにはFACSを使用し、GPRC5Aの細胞外領域に結合する抗体を選抜する。これまでに小規模ながら抗体作製をすでに開始している。GPRC5Aの細胞外領域に結合するモノクローナル抗体を複数クローン取得できており、現在の方法の有効性は実証できている。 細胞ガイドメインを強調した抗原の作製に成功し、これをマウスに免疫し、経時的に血液を回収。フローサイトメトリーにて免疫が成立したマウス個体を選別の上、脾臓を摘出し、ハイブリドーマの作製を完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ハイブリドーマの作製に至っており、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後はハイブリドーマから抗体を精製し、以下の検証を行う予定である。
<抗体の薬理効果の検証> 細胞レベル:PC3やDU145などアンドロゲン非依存性前立腺がん細胞の野生型(WT)およびGPRC5AKO細胞に対し、様々な濃度で作製した抗体を投与する。培養後48および72時間後に、細胞増殖能・浸潤能・遊走能・接着能・アポトーシス誘発能を評価する。これらの評価系はすでに構築されている。
個体レベル:WTおよびGPRC5AKO PC3-lucを用いたnude mouseへの皮下移植および骨髄内移植による骨転移モデルを作製する。PBSまたは作製した抗体を3 mg/kgまたは10 mg/kgで週2回、4週間腹腔内投与する(各群n=6)。腫瘍サイズの変化は、毎週麻酔下にルシフェリンを投与しin vivoイメージングにて経時的に評価する。4週後、nude mouseを安楽死させ腫瘍を摘出し、重量測定および組織学的評価、マイクロCT解析を実施する。途中、担がんによる衰弱が見られた場合には、人道的エンドポイントとして安楽死処置を講じる。PC3-lucを用いたXenograft model系はすでに完成している。
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