研究課題/領域番号 |
23K18334
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
田村 学 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (80453174)
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研究分担者 |
金野 竜太 昭和大学, 医学部, 准教授 (70439397)
都築 俊介 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (90746794)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | フラクタル次元解析 / 言語優位半球 |
研究開始時の研究の概要 |
神経膠腫の腫瘍摘出においては、腫瘍摘出度が患者の生命予後を左右すると共に、腫瘍周囲の運動・言語神経損傷の程度が術後後遺症に大きく影響する。これまで、術前神経機能評価に侵襲的検査(言語優位半球側を決めるアミタールテスト)をはじめ低侵襲検査(機能的MRIや拡散テンソル画像撮影)を行い、覚醒下術中電気刺激皮質マッピングで精確な検証に務めてきた。今回提案する皮質構造フラクタル次元解析は、検査合併症が無視できないアミタールテストに代わる低侵襲術前評価法として、通常MRI撮像のみ用い、言語優位半球側を明確化することを目指す。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、MRI収集とフラクタル次元解析法の確立のための準備を完成させた。脳腫瘍患者と日本人健常脳の比較を行うため、同一施設で同一機種によるMRI撮影を必要とするため、研究協力機関(岐阜中部療護リハビリテーション病院)の倫理委員会承認を先行して取得した。その後共同研究機関との一括中央審査による倫理委員会申請と承認を続けて取得した。具体的な健常脳には、脳腫瘍や脳血管障害などを認めない日本人16名健常脳MRIを収集する(T1WI画像から、A:皮質構造の複雑性の指標としてフラクタル次元解析を行い、健常脳の左右解析結果を比較する。また、B:脳皮質形成(Gyration)に注目した脳溝Labeling法解析を行い、データベース構築する。上述AとBの解析結果比較を行う。脳腫瘍脳は、脳腫瘍局在が言語野近傍の患者において、Thin slice(2mm)3D-volumeのT1WIを基本とし、言語機能脳回間の連合線維をはじめ、脳内白質線維走行に注目した拡散テンソルDTI画像収集・解析を行う。術前に機能的MRIを撮像し、言語活動部位局在と左右差についてデータを取得する。フラクタル次元解析では皮質厚みとフラクタ ル次元をSPM12に含まれるCAT12 Toolboxで算出し、脳溝Labeling法では研究協力者(Mangin)の開発したBrainVISAを用いGyrationを含め解析する。DTI画像は、Probabilistic法ではFSL を、Deterministic法ではMedINRIAを用い、FA値計測と共に白質神経線維を解析する。倫理委員会承認後、解析方法の妥当性検証のため該当想定される患者候補者についての上記解析シミュレーションを実行した。解析結果も得られたため、予定通り患者及び健常者のMRIデータ収集を問題なく行えることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
倫理委員会の申請、承認を経て予定通り患者及び健常脳収集を行っている。健常脳は予定以上数が収集できているが、腫瘍脳と年齢等の調整が必要であるため、想定範囲での収集と解析を予定する。
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今後の研究の推進方策 |
目標の健常脳16例、脳腫瘍32例を予定通り収集すると同時に、優位半球を規定するための検討を行う。覚醒下手術における脳機能マッピング、言語線維を反映する白質繊維解析、言語タスクをもとに取得した機能MRIの同時収集例があれば追加検討を実施する。このことにより、実際の優位半球決定に影響を与える因子の解析も行えることが次の目標となる。
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