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母体状態・薬剤の胎生期細胞周期への影響:子宮内ライブ観察から生後評価まで

研究課題

研究課題/領域番号 23K18339
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
研究機関名古屋大学

研究代表者

宮田 卓樹  名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (70311751)

研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
キーワード脳発生 / 細胞産生 / 細胞周期 / 細胞分裂 / イメージング / 器官形成 / 母胎連関
研究開始時の研究の概要

本研究は,器官形成期にある胎児の種々の組織内で進行する細胞周期が,母体の全身状態の急性変化や薬剤によってどのような影響を被るか,そして胎生期擾乱・障害が生後にかけて修復・挽回され得るか,または刻印として残るのかに関して,産婦人科学はもとより,幅広い医学領域にとって有用となる全く新しい知見を得ることをめざし,細胞周期インディケータFucci蛍光システムが導入されたトランスジェニックマウス等を用い,マウス胎仔の大脳を直接,二光子顕微鏡によってライブ観察し,母マウスに対する各種擾乱が胎仔内の細胞周期動態にどんな変化をもたらすか明らかにする.

研究実績の概要

本研究は,器官形成期にある胎児の種々の組織内で進行する細胞周期が,母体の全身状態の急性変化や薬剤によってどのような影響を被るか,そして胎生期擾乱・障害が生後にかけて修復・挽回され得るか,または刻印として残るのかに関して,産婦人科学はもとより,幅広い医学領域にとって有用となる全く新しい知見を得ることをめざす,具体的には,細胞周期インディケータFucci蛍光システムが導入されたトランスジェニックマウス等を用い,マウス胎仔の大脳を直接,二光子顕微鏡によってライブ観察し,母マウスに対する各種擾乱が胎仔内の細胞周期動態にどんな変化をもたらすかを解析する.そして,さらに「胎生期に母体擾乱下の細胞周期評価に供した胎仔」を出産させ,その仔の生後の成長,脳の構造・機能の評価を行う.2023年度は,まず,以前代表者らが構築した経胎盤血流を維持させたままでマウス胎仔の二光子顕微鏡下の観察を行った系(胎生13日目用: Dev. growth & Differ. 2020, 胎生14日目以降: Nat. Commun. 2020)における問題点の洗い出しと対策に取り組んだ.2020年当時は,大きな問題として立ちはだかった「視野ずれ」に対して微弱吸引やネジ式の体位保持装置で視野安定を一定程度得たが,そうした「保持」の際に,あるいは二光子顕微鏡下の観察深度を増す目的で,子宮筋層・羊膜への外科的措置を施すこともあった.今回,生後までの追跡を目指すにあたり,そうした外科的行為を減すと,視野に問題が生じることが判明した.一方で,外科的侵襲が軽度化すること自体は,胎仔の生存を長引かせ,健康な状況での観察のための道筋として有用な情報を得た.また,母体に対する摂動実験の状況をモニタするため,体温,血圧,心拍数などのモニタリングシステムの試用を行い,有用であることを把握した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予定していた子宮内の胎仔の大脳原基の神経幹細胞の分裂をモニタしながら,母体に対する摂動の影響の把握が,視野に問題が生じることが判明したため,計画に遅れが出た.また所有しているクライオスタッドに問題が生じたため,想定していたスケジュールに遅れが出た.トランスジェニックマウスの妊娠状況が想定と異なる(非妊娠または匹数が少ない)ためにイメージング全体を見送るなどもあった.このような事情で観察の諸条件を至適化できなかった.その点に鑑み、総合的には,やや遅れているとの判断となった.

今後の研究の推進方策

本来であれば,子宮内の胎仔の大脳原基の神経幹細胞の分裂をモニタしながら,母体に対する摂動の影響を2023年度中に一定程度把握し始める予定であったが,その点での遅れを解消すべく,1年目で浮き彫りになった問題点に対して,侵襲性の低い支持装置を新作するなどしつつ対応し,また1年目で試用が達成できた装置による母体モニタリングを適切に行いつつ,データ取得に努める.また,当初から2年目に予定していた「胎生期に子宮内二光子顕微鏡観察に供した胎仔」をその後続けて子宮内で生育させ出産に至らせ,生後の各種解析につなげる.通常分娩に困難がある場合は,帝王切開による仔の確保,仮親による保育とする.小頭症(低形成脳)のモデル動物で用いられたような行動評価テストを行い,胎生期の一過的な母胎擾乱が生後の仔の行動にどう影響を及ぼすか,解析する.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Mechanical and Physical Interactions Involving Neocortical Progenitor Cells2023

    • 著者名/発表者名
      Miyata Takaki
    • 雑誌名

      Neocortical Neurogenesis in Development and Evolution

      巻: 1 ページ: 119-136

    • DOI

      10.1002/9781119860914.ch7

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] CD206+ macrophages transventricularly infiltrate the early embryonic cerebral wall to differentiate into microglia.2023

    • 著者名/発表者名
      Hattori Y, Kato D, Murayama F, Koike S, Asai H, Yamasaki A, Naito Y, Kawaguchi A, Hiroyuki Konishi H, Prinz M, Masuda T, Wake H, Miyata T.
    • 雑誌名

      Cell Rep

      巻: 42 号: 2 ページ: 112092-112092

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2023.112092

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 胎生早中期の脳室圧は頭皮からの拘束のみならず羊水圧からの影響も被る2024

    • 著者名/発表者名
      辻川 幸一郎, 島村 司, 篠田 友靖, 宮田 卓樹
    • 学会等名
      第129回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Intraventricular macrophages infiltrate the cerebral wall in association with neural progenitor cells2023

    • 著者名/発表者名
      Asai Hisa, Hattori Yuki, Miyata Takaki
    • 学会等名
      第46回 日本神経科学大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Interventricular pressure of the developing mammalian brain before skull vault ossification: mechanisms and physical roles of pressure generation2023

    • 著者名/発表者名
      Koichiro Tsujikawa, Takaki Miyata
    • 学会等名
      第56回日本発生生物学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Searching for the mechanism of emergence of community-level efficiencies in the interkinetic nuclear migration in highly proliferative embryonic mouse neuroepithelium2023

    • 著者名/発表者名
      Tsukasa Shimamura, Miyata Takaki
    • 学会等名
      第56回日本発生生物学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] TAKAKI MIYATA laboratory

    • URL

      https://www.takaki-miyata-lab.org/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-07-04   更新日: 2024-12-25  

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