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分泌型免疫グロブリン受容体のレパトア解析に基づいた上気道粘膜上皮多様性解析

研究課題

研究課題/領域番号 23K18342
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
研究機関札幌医科大学

研究代表者

小笠原 徳子  札幌医科大学, 医学部, 准教授 (00438061)

研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
キーワードシングルセル解析 / 扁桃組織 / RSウイルス / 上皮細胞 / IgA / 上気道
研究開始時の研究の概要

本研究では咽頭扁桃・唾液腺上皮細胞における病原微生物非感染および感染時の発現比較シングルセル解析を行うことで粘膜上皮細胞の機能的多様性を明らかにし、その中でも重要な役割を担う分泌型IgA受容体 (polymeric immunoglobulin receptor: pIgR) の詳細な機能解析を行う.
具体的には1)上気道上皮細胞における多様性免疫グロブリン受容体 (pIgR) 局在解析
2) pIgR bulk-RNAseq およびシングルセルレパトア解析 3) pIgRと病原微生物コンポーネントの結合解析を行う。

研究実績の概要

粘膜上皮細胞は分泌型IgAと基底膜側で受容体を介して結合し、管腔側に分泌するという重要な免疫機能を果たしているが、その詳細は不明である。本研究では上気道粘膜上皮細胞が果たす免疫担当細胞としての側面に着目し、上皮細胞の機能的多様性を呼吸器感染性微生物感染・非感染時におけるシングルセルを含めたトランスクリプトーム解析・分泌型IgA受容体 (polymeric immunoglobulin receptor: pIgR) の局在変化・挙動・結合解析を用いて解明する。pIgRは上皮細胞で産生される免疫グロブリン受容体であるが、これまで報告のないpIgRのレパトア解析を通じて上皮細胞の免疫担当細胞としての新たな機能的側面を探索することは、粘膜免疫のみならず呼吸器感染性微生物に対する局所投与型ワクチンを含めた予防・治療戦略開発に強い波及効果をもたらす。
初年度はadenoid組織からsingle cell isolationを行い、それぞれRSウイルス感染群と非感染群に分けて同数の細胞を培養し、RSVの感染実験を行った。それらの組織について培養48時間後に固定処理を行なって、10xchiromiumを用いたsingle cell RNA sequenceを行った。結果については現在解析中である。また本計画の予備検討の結果、初代培養咽頭扁桃上皮細胞ではRSV感染後にpIgRの発現がmRNAレベルで有意に減少することを見出している (n = 5, adjusted p 値 0.03)。シングルセル解析を上皮細胞でも行っておりpIgRについて引き続き解析を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね順調であるが、2023年4月から7月まで申請者産休取得のため、遂行できていない研究がある

今後の研究の推進方策

使用する上皮細胞を用いてpIgRの発現を定量確認後、3次元培養法であるAir-liquid-interface (ALI) の手法を用いて培養上皮細胞の免疫染色を行い、pIgRの細胞内局在をX-Y軸およびZ軸において蛍光顕微鏡を用いて確認する。上気道感染性病原体であるRSウイルス (RSV) 感染前後でのpIgRの局在/発現変化解析を行う。pIgR局在確認がうまくいかない場合には、pIgRが豊富に発現する培養顎下腺上皮細胞を用いて解析を行う。
RSV感染前後でのアデノイド組織を用いたpIgRのシングルセルレパトア変動解析を行う。CDR1-3を中心に多様性が存在するか組織全体のRNA seq (バルク-seq) でのレパトア解析をおこなう。並行して感染・非感染群それぞれB細胞受容体探索のワークフローを用いてシングルセルレパトア解析を行う。このシングルセル解析過程でpIgRが特異的に発現する上皮細胞のcharacterizationが可能となる。さらにバルク-seqとシングルセル解析を統合的に行い、希少な細胞数での解析結果を補完する。受容体に多様性が乏しい場合には、申請者がもつ初代培養細胞ライブラリを用いてpIgRのCDR1-3部における遺伝子多型とRSVにおける発現変動について関連解析を行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 上気道粘膜組織における宿主自然免疫応答機構の解明(総説)2023

    • 著者名/発表者名
      小笠原 徳子
    • 雑誌名

      日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会誌

      巻: 3 ページ: 133-137

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 上気道粘膜組織における宿主自然免疫応答機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      小笠原 徳子
    • 学会等名
      第3回耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2023-07-04   更新日: 2024-12-25  

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