研究課題/領域番号 |
23K18349
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 信博 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60183852)
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研究分担者 |
鷲尾 純平 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (20400260)
仲川 清隆 東北大学, 農学研究科, 教授 (80361145)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2025年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 口腔マイクロバイオーム / 認知症 / プラズマローゲン |
研究開始時の研究の概要 |
「国民病」となりつつある認知症の原因の一つは「脳神経の酸化傷害とそれに引き続く炎症」であることが明らかにされつつある。これを防ぐ物質としてプラズマローゲン(PL)と呼ばれる一群のリン脂質が知られており、PLは口腔に生息するある種の細菌によって産生されていることが分かってきた。そこで本研究では、PLを効率的に産生する口腔内細菌を分離・同定し、それらの細菌に大量産生させたPLの投与や、それらの細菌を直接口腔内に定着させることで、認知症予防の一助とすることを目指す。
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研究実績の概要 |
「国民病」となりつつある認知症の原因の一つは「脳神経の酸化傷害とそれに引き続く炎症」であることが明らかにされつつある。これを防ぐ物質としてプラズマローゲンと呼ばれる一群のリン脂質が知られており、プラズマローゲンは口腔に生息するある種の細菌によって産生されていることが分かってきた。そこで本研究では、プラズマローゲンを効率的に産生する口腔内細菌を分離・同定し、それらの口腔内細菌によって大量生産されたプラズマローゲンのサプリメントとしての投与や、それらの細菌をプロバイオティクスとして直接口腔内に定着させることで、認知症予防の一助とすることを目指している。初年度は、口腔内細菌に含まれるプラズマローゲンを同定・定量できる測定システムの確立を行った。その結果、高精度液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法を用いることで、精度よくプラズマローゲンを同定・定量できることが確認された。実際に、口腔マイクロバイオーム(プラーク)を用いることで、口腔マイクロバイオームにプラズマローゲンが存在すること、その含有量には個人差があることが明らかになった。一方、高精度液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法では、測定試料の調整が煩雑でコストが高くなるため、今後のスクリーニングのためには簡易的なプラズマローゲン測定法が必要であることが分かった。そこで、現在、プラズマローゲン由来物質と特異的に結合する色素を用いた簡易測定法を開発中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
口腔マイクロバイオームからのプラズマローゲンの同定・定量は、高精度液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析計を用いることで成功したが、試料の調整が煩雑でコストが高いため、簡易同定・測定法の開発を行うこととした。このため、当初予定よりもやや遅れている。しかし、本簡易法の開発により、同定・測定コストを抑えつつ、スクリーニングができることにより、当初の予定に追いつくものと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
1.プラズマローゲン産生菌の分離と同定:全歯面プラークを採取し、血液寒天平板に播種、嫌気チャンバーにて培養する。コロニーを滅菌生食水に懸濁し1/3量を新たな血液寒天平板に植菌、細菌を保管する。次の1/3量でプラズマローゲン簡易検出法)によるプラズマローゲン産生能スクリーニングを行う。プラズマローゲン産生能を有する場合には残り1/3量からDNAを抽出、16SrRNAシーケンス法で細菌種を決定する。 2.分離細菌の各型プラズマローゲン産生能および代謝系の検討:プラズマローゲン産生菌を、各種環境下(pH、栄養源等)で培養し、高精度液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法を用いて各型のプラズマローゲン産生を検討する。これらの結果からプラズマローゲン高産生条件を見出し、大量生産への道筋を付ける。同時にプラズマローゲン代謝経路を、遺伝子データベースとの照合や高精度液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法でのメタボローム解析等で検討する。 3.プレ/プロバイオティクスの検討:プラズマローゲン産生促進物質を探索し、プレバイオティクスとしての可能性を検討する。さらに、プラズマローゲン産生菌のプロバイオティス応用を見据え、既報のアルツハイマー型認知症モデル動物(マウス)を用いて、脳機能改善効果を検討する。
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